モ ノ ゴ ト リ

石橋遼大 × 幼なじみ ページ22

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芸人・四千頭身の石橋遼大さん × アナタ

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いつからかな、テレビで"四千頭身"の石橋遼大を見ない日はまったく無くなってきた。まさに、お笑い第七世代を代表する芸人トリオだなと思いながら仕事から帰るいつもの道。CMで一目惚れして買ったcocoaを走らせながら、そんなことを考えていた。



いつからかな、遼大の横にいるのは私じゃなくて、都築さんと後藤さんになった。高校生までは絶対私が隣にいたのに、おかしいなぁ。青春時代、彼氏は人並みにはいたけど、幼稚園から高校卒業まで、春夏秋冬いつを思い返しても、遼大は私の思い出にいた。



いつからかな、電話もしなくなったよね。遼大が大きくブレイクするまでは私が毎日話を聞いてたのにね。「A、俺は絶対売れてみせるからな」って言ってたのを聞いてたのは私だった。それで私も、『絶対だからね。私、ちゃんと見てるからね』って返すのがいつものことだった。過去形になったのはいつからなんだろう。









『会いたいなぁ』








自分ちのマンションの駐車場に車を止めて降りる。エントランスまで歩く道のりで思わずこぼれた本音。








『遼大に会いたい』






いつからかはもう覚えていない。この寂しさが恋心なのは随分前から分かっていた。どうしようもなく愛おしくなるこの気持ちは知っていた。見て見ぬ振りをしている。…現在形になったのはなんでなんだろう。


エントランスに誰もいないのをいいことに独り言をぶつぶつ呟く。






『…会いたいなんて、わがままだもんね。遼大、今が売れ時だもんね』


「わがまま言ってもいいんだよ、バカ」



『っ、え？』









絶対に聞き間違えないこの声。振り返るとそこには私が今いちばん愛おしくて会いたくてたまらなくて、考えるだけで胸が甘く痛む、他ならぬ遼大がいた。息が切れてる、走ったのかな、なんでかな。









『りょ、だい』

「言いなよ、わがまま。俺は言うよ？会いたかった。」

『なんで、こんなとこいるの？』


「会いたくなったからじゃ、だめ？」







だめじゃないに決まってる、決まってるけど、でも、そんなこと言ったら期待してしまう。ちょっと寂しそうなその目でやられそう。









『だめだよ遼大。そんなこと言ったら勘違いしちゃうよ？』









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