モ ノ ゴ ト リ

櫻井翔　× 初詣 ページ17

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【巫女】(みこ、ふじょ)

主として日本の神に仕える女性のこと。 神子(みこ)、舞姫(まいひめ)、御神子(みかんこ)と呼称される場合もある。
(Wikipedia参照)









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白い袴に赤のライン
一つに括られた柔らかな焦げ茶の髪の毛
びゅうっと冬の寒い風が頬をかすめる
目の前にいる巫女の髪の毛と後れ毛も揺れる
あの巫女の衣装はとても寒いらしい
テレビで以前流れていた情報がなぜか今頭をよぎった









「この御守りください」

『はい、1,000円になります』









財布の中から野口英世を1人出し、
トレーの上ではなく、彼女の掌の上にだした







『ちょうどお預かりします。いい一年になりますように』

「あなたも」








にこっと微笑むと彼女も微笑みを返してくれた
こちらから見て左側にえくぼができて可愛らしい。
いま流行りの薄い前髪を頭を振って目の前から退けて
その微笑みをたたえたまま、両手で御守りのはいった
袋を渡してくれた。









『神様は、ちゃんと良い行いをしている方を見てますよ』





まわりの巫女さんが言っていることをそのまま
彼女も口にしたから、この神社ではそれを言うのが
きっと決まりなんだろう。
そうと分かっていてもなお、彼女にいわれたのはとても嬉しかった






「今年はちゃんと神様に見てもらえるように頑張ります」

『…なんて、私ただのアルバイトなんですけどね』









まわりの他の巫女さんにバレないようにするためか
少し小さな声で、はにかみながら、
時給、結構いいんですよ。なんて言って。
その一言に思わず笑ってしまった
俺が笑ったのを見て彼女も照れ臭そうに笑った









『巫女さん、いい一年に』

「ありがとうございました。」









野口英世の下に滑り込ませた電話番号の紙は
彼女の胸ポケットに。









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