長野博 × 子供 ページ1
.
not real
.
目の前で、赤ちゃんを抱いた女の人が立っていた。
抱っこ紐の中に赤ちゃんを移した。
青いスカートの学生や坊主頭の学生
みんなが優しい瞳で赤ちゃんとその母親
を見つめていた。
なんて平和な光景なのだろうか
どうやら赤ちゃんには力があるようだ
ぜひ分けて欲しい。
ふと隣に座る彼を見ると、相変わらず
大きな二重幅と、鼻筋が綺麗な横顔で
前を向いていた。
肘でちょいっと彼の二の腕をつつくと、
その端正な顔を私の方へ向けた
「 なに〜？ 」
『 癒されるな〜って、 』
「 いいね、赤ちゃん 」
『 可愛いね 』
この" いいね " は good! の
" いいね " であるのか、
羨ましいね、の " いいね " か。
どちらかは分からなかった
ちゃんと将来のこと、子供のこととか
考えてくれてたとしたら……
後者だったら、いいのにな
「 ねえA？ 」
『 はーい 』
抱っこ紐を支えつつゆらゆら揺れる女の人
わたしたちの最寄りの一つ前の駅で
スーツ姿の男の人が乗ってきた
まっすぐに女の人と赤ちゃんの元へ駆け寄り
軽く微笑んでそっと赤ちゃんの頭を撫でた
「 俺達もああなるといいね 」
私を見つめる瞳は相変わらず優しい
大学で出会った頃から変わらない
彼の瞳には蜂蜜でも
入ってるのかというくらい
甘い。とても、甘い。
『 そうだね 』
だから私も同じくらい甘い瞳で返すんだ
私はあなたが好きだよ〜〜〜〜！！
好きすぎるくらい好きだよ〜〜〜！！
それを瞳にめいいっぱい込めて見つめる
伝わらないだろうけど
それでも見つめるんだ。
「 今日の晩ご飯は筑前煮かなあ 」
『 一緒に作ろうよ 』
「 作ろうね、」
『 こんにゃくは、、』
「 おれが切るから大丈夫 」
なぜか私はこんにゃくを切ると手がかぶれる
ただ食べるためには切らなくてはいけない
一人暮らしを始めてから知ったことだ
わたしにはこんにゃくを切れない
そのことをちゃんと彼は分かっててくれる
ただ今の目は筑前煮たべたい〜！
の目じゃなくて、すき〜〜の目だったけど
彼と一緒に作れるなら幸せだからいいかな。
『 ひろしくん、 』
「 んー？ 」
その返事さえも、
あまい、アマイ、甘い。
『 ひろしくん、すーき 』
「 おれもだよ〜 」
最寄り駅からの帰り道。
自然に優しく私の手を握る彼には
蜂蜜のように甘い瞳じゃなくて、
きちんと言葉で伝える " スキ " が効果的。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴音 - またまた続けてのコメントですみません。 僕の妻を決めるという名目で行われているこの舞踏会 近寄ってくる女は、そりゃあ自分の自信があるから これ正しくは自分に自信があるからではないんでしょうか? (2月20日 1時) (
レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - また続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 吉沢亮×舞踏会のここの部分 その人は突然現れた。 (2月20日 1時) (レス) @page26 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - 続けてのコメントですみません。 勇人も私がいるから大丈夫と思ってくれていた。 これ正しくは勇斗にブレーキを 勇斗も私がいるからではないんでしょうか？ (2月20日 1時) (レス) id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
琴音 - こんばんは。 はじめまして。 夜分遅くにいきなりすみません。。。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 磯村勇斗×おまじないのここの部分 人より少しやんちゃ気味だった勇人にブレーキを かけるのはいつも私の役目だったし、 (2月20日 1時) (レス) @page20 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
花 - 主さまが書かれるお話がとてもすきです、！もし2作目を作られるときはまた猪野さんのお話を読みたいです、！ (2021年9月6日 5時) (レス) id: 9e30f74729 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：どりー | 作成日時：2019年8月9日 8時
