20.出来ること ページ21
｢Aは持病を持っているの｣
病院から戻った女の部長が
珍しく真面目な顔をして、部室にいる部員に言った
｢詳しいことまでは言えないけど、
それでAは入院することになった｣
“入院”
その言葉に俺の頭の中には
命に別状はないのか、そんな重い病気なのか
嫌なイメージが駆け巡る
｢退院できたら、Aはまた復帰するから
私達は今まで通りの練習を続けよう｣
｢はい！｣
部員の声が響き、皆がコートへ向かう
コートへ練習に向かう部員の最後の一人に声をかけられた
｢今の仁王君に出来ることをしてあげたらいいんじゃないですか？｣
｢･･･柳生｣
柳生は笑顔を浮かべて部室を出て行く
柳生の言葉を頭の中で何回も再生する
｢今の俺が出来ること･･･｣
しばらくして俺は
自分の中で答えを出して練習しにコートへ行った
――――――
練習が終わって、俺は誰よりも早く帰り、花屋に向かった
｢見舞いにはなんの花がいいんじゃ･･･｣
人の見舞いなんて初めての俺は
どういう花を持って行けばいいのか分からなかった
｢仁王くん？｣
覇気のない声に名前を呼ばれ振り返る
｢おまんは･･･｣
｢幸村桃。Aの親友｣
｢なぜここに？部活にはおらんかったじゃろ？｣
｢Aの様子を見てきて、そのままアルバイトに来たの｣
｢アルバイトか･･･、Aの様子はどうじゃ｣
｢･･････｣
｢答えてくれんか｣
｢･･･正直言って、良くはない
救急車で運ばれてる時、気を失ってそのまま意識が戻らないの｣
脈が早くなる
｢命の危険は、ないじゃろ？｣
｢それは大丈夫って先生が言ってた｣
｢そうか･･･ならひとまず良かったぜよ｣
胸を撫で下ろす
そんな俺をみた幸村妹は
｢Aへのお見舞いの花ならガーベラがいいよ｣
｢今から見舞いに行こうとしてること、バレたか｣
そう言いながら、幸村妹におすすめされたガーベラという花を1本手に取る
｢4月に見た時より全然分かりやすいよ仁王くん
なんか、雰囲気が柔らかくなった｣
｢ほう、ペテン師の名が泣くのう｣
｢これも、Aのおかげ？｣
｢･･････そうかもしれんな｣
そう会話をした後、
ガーベラを買い、Aがいる病院へ急いだ
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みかん - 申請ありがとうございます！マイスペいいねしました更新頑張ってください (2019年9月7日 2時) (
レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
なる(プロフ) - みかんさん» コメント励みになります〜！ありがとうございます！テニラビのんびりですがやってますよー！申請したので、よろしくお願いします^^ (2019年9月5日 15時) (レス) id: 172c2f54a2 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 仁王好きです更新頑張ってくださいテニラビやってますぜひ申請お願いしますやってたらユーザー名はみかんですねんです (2019年9月5日 15時) (レス) id: 84f3235ae9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なる | 作成日時：2019年8月28日 11時
