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駅の人混みを抜け、渚やクラスメートのいる場所へと向かう。
その途中、周りにいた人が斜め上を見上げていたことに気がついた。
『…あ、』
大きなスクリーンに映されているのは総理大臣の緊急記者会見の様子。
その怪物…殺せんせーを殺さないと、もうすぐ地球が滅んでしまうこと。
政府を脅し僕らを人質に、教師になりすまして学校に潜伏していたこと。
世界政府は従うフリをしつつも、秘密裏に暗殺の準備を進めていたこと。
『っ、くそが』
そんな、有り得ないようなことをペラペラと喋る総理大臣に唇を噛み締めた。
好き勝手言って、許せない。殺せんせーだけが悪者だってみんなそう思うだろう。
とどめのレーザーが発射されるのは、3月12日。地球が滅ぶかもしれない日の前日だ。
そんでもって、私たちの卒業式の前の日でもある。
·
『みんなっ！！』
「A！」
みんなと合流できた私に、すぐさま駆け寄ってくれたのはカエデ。
みんなそれぞれ追い詰めたような表情を浮かべていた。
『こんなの、聞かされてないんだけど…！』
「…そりゃね、俺らに知らせてくれるはずなんてない」
無駄に冷静なカルマは、私を落ち着かせるかのように頭をぽすぽす叩いた。
『…許さん世界政府。ぶっ殺すマジで』
「A、口調」
カエデに宥められ、私は口を閉じる。
…こんな暴言ばっか吐いてたってどうにもならない。落ち着かなきゃ。
「とりあえずみんな揃ったことだし、行こう」
委員長の言葉に、頷く。
走り出すみんなに、1人目をぱちぱちさせながらカエデの背中を追いかける。
…けど、
『どこに？』
「アホかお前」
『お、前原いたのね』
「急に落ち着いてんじゃねーよ」
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