【赤羽業】ウザさ９９％ Part１０ (ページ1)

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『泣かない？歯医者さん怖くない？』

「うるせ。…姉ちゃんとは違って歯医者なんぞ慣れたわ」

『それは私に比べてお前が虫歯多いからだろ』

「死ね」

『最近反抗期なの？お姉ちゃんに向かって口が悪いぞお前』

弟の通ってる歯医者についてきたものの、やっぱり慣れない病院の匂い。

…基本的に病院が嫌いなんだよな私。注射はトラウマもんだし。

待合室のところで1人スマホをいじってると、画面が切り替わって渚からの着信。

『電話出てくる。1人でもだいじょぶ？』

「早く行けば」

『んもう。冷たいんだから』

歯医者さんを出てすぐのところで電話に出ると、スマホの向こうから「あ、A…？」という控えめな渚の声が聞こえた。

『なあに、渚。耳元で渚の声が聞けるだなんて幸せなんだけど』

「今ふざけてる場合じゃないよ！！」

『はいすいません。…どしたん？』

呆れたような、少し焦ったような渚の声が聞こえて改まる。何かあったのかな。

「…今どこにいるの？」

『私？…うちのアホな弟がハイチュウ食って詰物取れたから歯医者にいる。マジでアホだよねウケる』

「……メール、見てないでしょ」

『メール…は基本的に溜める。LINEがあれば大体の連絡つくし。どうかした？』

渚はLINEしてるんだからメールなんて使う必要ないよね…？

私メールとかほぼほぼ見ないけど。迷惑メールとかその他もろもろ溜まってる。申し訳ないけど。

「学校が…、」

『学校？』

「学校が包囲されてる。兵隊さんも大勢いて、入れないみたいなんだ」

『は…？』

自分でもわかるくらい低くなった声のトーン。

どういうこと…？

ダメだ、冷静になれ。

『…今から行く。どこ？』