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「ケ、つまんねー、それでグレただけっていう話か」
私たちが同情のような気持ちを浮かべる中、平然とそんなことを言い出したのはうちのクラスの馬鹿代表だ。あ、今私のことだろって思ったやつは全員死刑。
「皆それぞれ悩みあんだよ。…重い軽いはあんだろーがよ。けどそんな悩みとか苦労とか割とどーでもよくなったりすんだわ」
『お前…いいこと言うな…馬鹿の癖に』
私の言葉に「あン！？」とポケットに手を突っ込みながら振り返った寺坂。
よし今ので台無し。プラマイゼロ。
「…俺らんとこでこいつの面倒見させろや。それで死んだらそこまでだろ」
『マジか！大丈夫！？』
「うるせぇなお前はいちいちよぉ！少しは黙ってろや！！」
『大丈夫か。人間そんな簡単に死なないか』
「A、寺坂の言う通り黙ってた方がいいよ」
カルマによしよしと頭を撫でられ、私は口を閉じる。
ほら偉い。ちゃんと言うこと聞いてる私。
·
「対先生ネットをリメイクしたバンダナか…」
「気休めに過ぎねーよ。また発作が出て暴走しだしたら、あんなんじゃ止められねー」
私たちはイトナくんを連れている寺坂たちの後ろでこっそりと見守っていた。
あの寺坂が胸張って言うんだからなにか作戦があるに違いない。いやでもアイツなら何も考えてないってのも有り得るな。
「さて、おめーら……どーすっべこれから」
「考えてねーのかよ何も！」
「うるせー！4人もいりゃ何か考えあんだろーが！」
「ほんっっと無計画だなテメーは！」
何も考えてないのかよ。
ちょっと寺坂に期待した私が馬鹿だったわ。
カルマの背後にくっついて寺坂グループを覗いていた私は思わず目を細めた。
『やっぱただの馬鹿』
「Aもあんな感じじゃん」
『ヤメロあんな単細胞と一緒にすんな』
私の方を振り返って嘲笑するカルマの背中をコツンとグーで殴る。
「後先考えずにその場の勢いで無計画のまま動く奴」
『うるせえ屁理屈野郎』
「よく生徒会として過ごせてたね」
『あれは不可抗力』
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