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生徒の信頼を失いかければ殺せんせーは慌てて動くから、そこに来て巨乳アイドルの合宿という嘘情報。
シロはそうつらつらと話す。
「多少不自然でも飛び込んでしまうあたりが間抜けだねぇ」
そんなことを言って笑うこいつに私は眉をひそめた。
『はぁん?それ私たちに言ってます?』
「くっそ…俺らの
「いっつもいやらしいとこから手ぇ回して…!」
『そーだそーだっ!』
ブーイングに対しても彼にとってはなんてことない様子。飄々としている。
「それが大人ってものさ」
『大人を理由にすんなーっ!!』
「大人はずるいんだよ、栗原Aさん」
『うげ、フルネーム』
なんで名前知ってんだこいつ気持ち悪いな。
ぶすっとしながら睨みつける私にはものともせずにシロは「そうだ!」と声を上げた。中の様子が見えないと不安だろうから戦術を解説してあげるとか。
別になんも言ってないけどな。気にならないこともないから聞いてやるよ。
「シーツに見せて囲ったのは対先生繊維の強化布。とても丈夫で戦車の突進でも破けない。独特の匂いは洗剤臭でごまかせた」
ああ、そういえばこいつの着てる服も対先生繊維とか前に言ってたような。
「イトナの触手に装着したのは、刃先が対先生物質でできたグローブ。高速戦闘に耐えられるよう混ぜ物をしてあるので、君たちが使うナイフと比べて効果は落ちるが触手同士がぶつかるたびじわじわ一方的にダメージを与える」
解説していくシロ。
中の様子は見えずとも、殺せんせーが押されている状況だというのがなんとなく分かってしまった。
「そしてイトナの位置取り…常に上から攻撃して標的を逃がさない。これで仕留められないようではね…」
『むっかつく〜〜!!』
ムッキー!と握り締めた拳を掲げながら、ワサワサ動いている高い布の壁を見上げた時、急に眩しい光が溢れた。
シロも想定外だったらしく、動揺の色を見せる。
そして次の瞬間、眩しい光と共に爆風が起きた。
『どぅわッ』
その風に押され、私はすってんころりん…なんて生易しいもんじゃない。
吹っ飛んだ私は地面に盛大にお尻を打ってしまった。
いってえよ!ケツ!
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