検索窓
今日:24 hit、昨日:15 hit、合計:198,894 hit

201. ページ5

歩くのが遅かったのか、はたまたカルマたちが速かったのか。

私たちの次のペアだった2人は追いついてしまったようだった。




「だ、大丈夫ですか2人とも…!」

『奥田さん…』



すぐに起き上がって気まずそうに頬を搔く前原。私もそれに続いて起き上がろうとするものの、横腹に痛みが走って「ガッ…」と変な声を出してしまう。





「いや、カルマ…勘違いすんなよ、ただの事故だからな」

「別になんも疑ってないし。ほらA、早く立って」

『もっと労わって』



慌てて弁解しようとする前原にカルマは淡々といつもの調子で返すと、私に手を差し伸べた。

その手をぐっと掴んで立ち上がる私。



「重」

『黙れ』



そのまま手を繋いでスタスタと歩き出すカルマに手を引かれ、私は「ちょ、まっ、え???」と途切れ途切れに問いながらも進んでいく。




『カルマ!ねぇ!』

「なに?」

『奥田さんと前原置いてきちゃだめじゃん!』



私がそう言うとカルマは立ち止まる。
こちらを振り返ったかと思えば、にっこりと口角を上げた。



「あっちでなんとかするでしょ」

『お前笑ってんの怖いんだけど。そんなに私と回りたかったのかなあカルマくんは!』

「埋めるよ?」

『いだっ、痛い!縮む!』



ガシ、と頭を掴まれ言葉の通り地面に埋めようとしてくるカルマの手をバシバシと叩く。

まだ肝試しの半分も終わってないのにこんなところで埋められて溜まるか!!!!



少ししてやっと離してもらえたところで、私はカルマの肩をグーで殴る。



『お前贅沢なんだよ!できるなら私だって奥田さんと回りたかった!』

「ハイハイ、今度お化け屋敷でもついてきてもらったら」

『それならメリーゴーランドの方がいいかなアハハ』

「ふーん…じゃあ次のデートは遊園地だね」

『誰がお前と行くって言った?』





…ていうかなんなんだこいつ。
なんかモヤモヤする。さっきあんなことがあったから怒られるのかと思いきやなんも言ってこないし。



『ねえカル……ひあっ!!』

「…え?」



カルマの袖を引いた時だった。
ピトリと首筋に濡れている何かが当たって、思わず悲鳴をあげてしまう。



「なんつー声出してんの」

『や、あの…首筋になんか…』




サッと血の気が引くのがわかった。

202.→←200.



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (145 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
268人がお気に入り
設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業 , 赤羽カルマ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:す。 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2016年1月30日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。