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「ふふふ、体も頭脳もそこそこ大人の名探偵参上!」
「やってることはフリーランニング使った住居侵入だけどね…」
不破さんのセリフ、まるでどこかのショタ化してしまった高校生探偵のようじゃないですか。
今日この場に集まったのは不破さん、渚、カエデ、カルマ、寺坂、そして私の6人。多すぎても目立つしね。
寺坂に至っては完全にカルマが巻き込んだだけだし。
何をしにわざわざここへ来たかと言うと、真犯人を見つけに…だ。
「…んで不破よぉ、なんで真犯人はこの建物を次に選ぶと?」
そう問う寺坂に、不破さんはここは某芸能プロの合宿施設だと説明する。この2週間は巨乳を集めたアイドルグループが新曲のダンスを練習してるとか。
「その合宿は明日には終わる。真犯人なら極上の洗濯物を逃すはずないわ」
『おお、なるほど!』
不破さんの推理力に改めて感動していると、カルマにフードを被せられた。
『あ…』
私たちの前の草むらには殺せんせーらしきものが見えたから。
「なんだ…殺せんせーも同じこと考えてたか」
「どう見てもあれ盗む側の格好だろ」
「見て!真犯人への怒りのあまり下着を見ながら興奮してる!」
『うわ、真犯人にしか見えないし』
殺せんせーの気持ち悪さにぶち当たったところで、私の後ろでしゃがんでいたカルマが何かに気づいて指を差した。
「ねぇあっちの壁」
「え?」
「誰か来る」
そちらを見れば、そこには黄色いヘルメットを被った高身長でガタイの良い男がいた。
『あれ真犯人じゃない?』
「あの身のこなし只者じゃねー」
新聞記事の通りだ。
しかも身のこなしが一般人とは格が違う様子。
「やばい、持ってかれる!」
…と、真犯人がブラジャーへ手を伸ばした時だった。
「捕まえたぁーっ!!」
殺せんせーが真犯人の前に姿を現したのは。
触手でその大きな男を捕まえるとドッタンバッタンとしている。
「よくもナメたマネしてくれましたね!押し倒して隅から隅まで手入れしてやるヌルフフフフフ」
「なんか下着ドロより危ないことしてるみたい」
「笑い方も報道通りだしね」
真犯人の大男よりもさらに大きな殺せんせーが覆いかぶさっているその光景を見ながら私は「必死…」と呟いた。
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