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「…随分逃げたな、大したもんだ。だがもうすぐラスト1分…奴が動けばこのケイドロ、君らの負けだな」
「へへ、俺らの勝ちっすよ烏間先生…」
「……何を?」
前原が未だに荒い息でそう言うと、烏間先生は不思議そうに目を丸くさせた。
「だって、烏間先生は殺せんせーと一緒に空飛んだりしないでしょ?」
『ひなたちゃんそれ面白い』
「当たり前だ、そんな暇があれば刺している」
烏間先生の言葉に、メグと木村が顔を合わせて満足そうに笑った。…そしてここと反対側にある山奥を指差す。
「じゃあ烏間先生、ここから1分でプールまでは戻れませんね」
「しまった…!!」
『やったね』
·
全員のスマホから“ピピーッ”という笛の音。
律が「タイムアップ!全員逮捕ならず、泥棒側の勝ち!」と私たちに告げる。
牢屋にバラバラになっていたみんなが集まってケーキだと喜ぶ。
「なんか不思議!息が合わない2人なのに、教える時だけすっごい連携取れてるよね!」
「当然です、我々は2人とも教師ですから」
陽菜乃ちゃんにそう答える殺せんせー。
次の瞬間には警察の格好から普段の姿に戻っていた。
「目の前に生徒がいたら伸ばしたくなる、それが教師みんなの本能ですから」
ぼけーっとしながら2人を見ていると、今度はカルマにペシリと頭を叩かれた。
もちろんさっきの前原よりは優しいけど、
『なんでみんなしてすぐ私の頭叩くんだよどうすんだ頭悪くなったら』
「叩きやすい位置にあるからじゃない?ほら、Aって背低いし」
『至って平均だわ死ね』
「どこをどう見たら平均だと思うの?周り見ろ」
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