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「いた!A!」
『わ、メグ』
ちなみに私はまだ1度も捕まっていない。多分時間の問題ではあるけどな。
ちなみにカルマたちとはバラバラになりました。
置いてきた?いやいや、置いていかれたんだよッ!!!
「今さっきカルマたちとも打ち合わせてきたんだけどさー…」
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みんなの作戦は、機動力の優れたメンツで烏間先生をおびき寄せ、遠くまで逃げる。プールの反対方向へと。その間に他の何人かはプールへと潜れば、残り1分になっても殺せんせーは捕まえることができない。
考えたの誰だよ天才だろ。
「精々転んで死ぬなよ」
『お前こそ木の枝に引っかかって怪我するとか小っ恥ずかしい目に会わないようにね』
「お前じゃあるまいし」
『はーーーん!?!?』
「ほら、いつ来るか分からないんだから言い合わないで!」
メグ、ひなたちゃん、前原、木村、…そして私の4人。運動神経が良い人の集まりみたいなところにぶち込まれるとさすがにプレッシャーで死にそう。
そんなとこで、ガサガサと顔を覗かせた烏間先生。
『ふ、ふふ…かかって来いやポリ公めっ!』
「別にそういう演技はいらないけど…」
私たちを見て小さく口角を上げた烏間先生。
「左前方の崖は危ないから立ち入るな。そこ以外で勝負だ」
「「『はい!!』」」
タッと地面を踏み切ると、5人バラバラに逃げる。
…逃げ足には定評のある栗原Aであります。
岩や木を上手く利用しながら逃げ回る…けれど、
『ぎゃん!!!』
「…!」
…掴んだ木の枝が勢い余ってバキッと折れた。
もちろん急なことに私は対応できず、身体が空中に投げ出され───…
「大丈夫か、Aさん」
既のところで烏間先生が片手で私の背中をキャッチするとそのまま抱きとめた。
うあ、面が良い。恋に落ちるかと。
思わず見とれながら「大丈夫れす…」と呂律の回らない口で答えると、息を整えながらやって来た前原に頭をベシッと叩かれた。
「なに、烏間先生に見とれてんだ…チクるぞ」
『そりゃ見とれるだろ!!!!』
そんな私たちのやり取りに少し呆れたようにしながらスマホを取り出した烏間先生。
生き残りを確認している様子だった。
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