【赤羽業】ウザさ９９％ Part５ (ページ33)

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「あ、でもこれケイドロでしょ？だったら…」

奥田さんが思いついたように言ったのに対し、杉野ははっとする。

「そうだ！牢屋の泥棒にタッチすれば解放できる！！さっさと助けて振り出しに戻してやるぜ！」

『っはは、アイツ単細胞だな』

そう息巻いてフリーランニングを上手く利用しながら牢屋の方へ向かう杉野に、私は薄く笑う。

ま、一応みんなで追うんだけどさ。

「Aも負けず劣らずの単細胞だけどね」

『あーん？この秀才様に何を言いやがる』

「勉強できると頭が良いは違うんだよ」

杉野の背中を追いながらもそんな会話を繰り広げる私たち。ふと渚が不思議そうに振り返った。

「A、杉野が単細胞ってそれどういう…」

『殺せんせーだよ』

「へ？」

『ラスト1分まで廊下の前から動かないって言ってたじゃん』

私に続いてカルマも薄く笑いながら口を開く。

「誰があの音速タコの目を盗んでタッチできるよ。できるくらいならとっくに殺してるって」

そう、殺せんせーと烏間先生のコンビ…言わずもがな無敵すぎる。

草むらに紛れながらも牢屋を見る私たち。
殺せんせーは警官の格好で捕まった人たちにドリルで勉強をさせていた。

私たちがどうすればいいべきかと考えているうちも仲間はどんどん減っていく。

『よし、もう諦めて宿題2倍コースだな』

「諦めんの早すぎだろ！！」

「お前そういうとこあるよね」

…と、やや諦めかけていたところだった。
岡島が何かを殺せんせーに差し出したのは。

それを見た殺せんせーは、無言で受け取りポケットに入れると背を向ける。

「(今だ！助けに来い！)」

そう目配せする岡島に、私たちは出ていく。
殺せんせーは私たちを逮捕しようとはしなかった。

…警察として失格だなアイツ。

それからも捕まっては逃がし、捕まっては逃がしの繰り返し。おそらく殺せんせーは物に釣られたりとかしてるんだろう。チョロいな。