【赤羽業】ウザさ９９％ Part５ (ページ21)

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『やっほ』

ぱ、と手を開いて笑ってみせると、彼は微かに目を伏せ、そしてもう1度私を正面から見た。

「…それはこっちのセリフだね。わざわざこんなところまで来て。僕にはAさんの考えていることのほうがわからないな」

『私は竹林くんがどんな気持ちなのか知りたかっただけだよ』

私の言葉に彼は黙り込む。

『別に私が竹林くんの事情に首突っ込むつもりもないし、好きにすればいいと思うけどさ』

カルマに“余計のお世話だよ、それ”なんて言われちゃうから、程々にしよう。

そう思っていたんだけど、自分の口から発されたのは想像よりも低い声だった。

『今、本校舎復帰できて幸せ？楽しい？』

「……」

視線は絡み合わない。

私は一息ついて頭の後ろを掻くと「私の勘違いだったらごめんね」なんて付け足す。

『みんな、寂しがってるよ』

「みんな、って…」

『どうするかは竹林くんが決めて。あと今度メイド喫茶つれてってね！！それだけだから！』

言い逃げのように。私は笑顔でそれだけを残すと来た道を駆けて戻った。

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そして来たる、今日の集会。
わざわざ本校舎まで歩かせやがって。そもそも始業式やったばっかなんだから要らないだろ。

そんなことを思いながら大きな欠伸をひとつ。

「また竹林がスピーチ？」

そんな声が聞こえ、私は顔を上げる。
竹林くんがスピーチをするみたいだ。

「胸騒ぎだ」

「え？」

「何か…大事なものをメチャクチャに壊してしまいそうな…」

『ええ、私余計なこと言っちゃったかな』

そんな呟きに、私よりいくつか前にいた前原が振り返って「お前なに言ったんだよ…」と呆れたように言った。

『あは、…まあ何かあったら私が逆に滅茶苦茶にするから安心して！』

「安心できるか」

私の前の吉田が振り返らずにツッコミを入れたのに対し、私は唇を尖らせた。