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『もうやだあ、寝たい〜〜!』
「ばーか」
カルマの部屋。
私は宿題を広げながら嘆いていた。
別に内容自体はなんてことない。
いや、苦手教科の総まとめとかもあるけどそれはまあさておき。
「それより浴衣脱ぎなよ。服貸すし」
『じゃあ脱ぐの手伝って』
「え、いいの?」
『その嬉しそうな顔やめろ』
宿題だけ取って家を出た私は浴衣のままだった。
靴はちゃんと普段履いているサンダルに履き替えたのにも関わらず。慌てすぎてたんだ。
「脱がせてって言ったよね」
『手伝ってって言ったんだお前の耳腐ってんのか』
私が立ち上がると、カルマは即座に私の背後に回ってる帯を解いた。
いや、そんな簡単に…、
「あー…」
『なんだそのリアクション。っていうか解いてくれたならもう良いから』
ずるりと前の方がはだけてしまいそうなのを両手で防ぎながら後ろにいるカルマにそう言うけれど、何故か無言。
『ねえ、カルマ…?』
嫌な予感が走って少し距離を置くように1歩前に出た時だった。肩にそっと手を置かれたかと思えば、首筋に顔を埋めるカルマ。
『…ひえっ!?』
ぢゅう、と吸うような音と共に、首筋が一瞬熱くなった。
『なっ、な…っ!?』
「あ〜、我慢した俺ってほんと偉い」
『い、今、何して…』
カルマは、首元を押さえて固まっている私をそっちのけでクローゼットの中を漁っている。
「お前ちっちゃいから良いサイズの無いかも」
『ちょっと!!!』
「ん?キスマのこと?」
『はあ!?今キスマ付けたの!?え!?』
「はい、Tシャツ。デカいし下は要らないでしょ。あとブラ見えてるよ」
『ッだあ!』
私はカルマからTシャツを受け取ると「そっち向いてて!」と荒々しく叫んで着替える。
カルマの言う通りTシャツは私にはブカブカで下は履かなくてもだいじょ…
『大丈夫じゃない!短い!』
「え〜、Aいっつもスカートそんなもんじゃん」
『そんなことない!!!』
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浴衣姿の夢主ちゃん
http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/3/b/33b7d80c0b9a44c66e0da5b897119058.png
4年ほど前に描いたもの
http://uranai.nosv.org/img/user/data/6/a/5/6a5d8cf0caccdb0bf75b1b1574246590.png
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