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59. ページ10

あれから試合は進み、残りは野球部の攻撃を残すのみ。


『がんばれ…』



バントでノーアウト満塁になってしまったこのピンチの中、迎えるバッターはピッチャーの子。

…野球部のエースくんだ。




「負けちゃうのかなぁ……」


陽菜乃ちゃんが眉を下げながら呟いた。

うーん…と私はどう答えていいか分からず、心の中で応援することしかできなかった。


しかし、思っている展開とは違う。
試合に目をやるとカルマと磯貝くんはバッターの目の前にいる。

私は状況を理解出来ずにじっと見つめた。



「な、何あれ…」

「あれ、バット振ったらぶつかるんじゃ…」


一般生徒の呟きが耳に入ってくる。
…バットくらいなら避けることなんて簡単なんですねこれが。



杉野が一球目を投げた。

バッターの子は大きくバットを振るけど、もちろん余裕でカルマと磯貝くんはそのバットを上手くかわす。


そして二球目。



「う、うわあぁっ…」



バッターは腰の引けたスイングで球を打った。

そんな弱々しい球を、カルマはジャンプしてグローブを使わずにキャッチする。

…いや、グローブ使えよ。







·





トリプルプレーでゲームセット。
まさかの展開に本校舎の生徒達は文句しか言えない様子。


「ゲ、ゲームセット……!なんと…、なんとE組が野球部に勝ってしまった!」


流れた放送に女子みんなは嬉しそうに飛び上がる。

…あっは、天使の戯れ。


「キャー!やった!」

「男子すげぇ!」



私はみんなと軽くハイタッチをしてからカルマの元へと歩き出す。



そんな私に気がついたカルマが顔を上げた時、ガッ…と地面につまづいた。

綺麗に地面にダイブした私に、男子達が一斉にこっちを向く。




「ちょ、おま、何やってんの」

「大丈夫か!?」


腹を抱えて笑ってるカルマとは対照的に、心配してくれるのは優しい磯貝くん。

ああもう、磯貝くんと付き合いたい。




「ばっかだね」

『うっさいなぁ』


カルマは無言で私をじっと見つめる。
そんな彼に「…え、なに」と尋ねれば「風邪ひいてんの?」と顔を覗き込まれた。



『まぁね』

「バカは風邪ひかないんじゃなかったっけ」

『それ風邪ひいてる人に言うなよ』

「あ、バカは風邪ひかないんじゃなくて気づかないだけか」

『私の方が成績上ですぅ!』

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設定タグ:暗殺教室 , 赤羽業 , 赤羽カルマ   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:す。 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年12月5日 17時

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