【赤羽業】ウザさ９９％ Part2 (ページ46)

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「おいシロ！イトナ！」

「…寺坂君か。近くに来たら危ないよ？」

私たちのいるところから降りて殺せんせーや転校生くんの前に出たのは寺坂。

少し離れたところで立っていたシロは余裕そうな口ぶりで注意を施した。

「よくも俺を騙してくれたな」

「まぁそう怒るなよ。ちょっとクラスメイトを巻き込んじゃっただけじゃないか。E組で浮いてた君にとっちゃ丁度良いだろう」

ちょっと巻き込んじゃっただけだァ？

ちょっとじゃないだろコラ！こっちは死にかけたんだよ！！クソ！！死んでないけど！！

そんな会話を聞きながらも心の中で怒りつつ、私はじっと下を見下ろす。

「うるせぇ！テメーらは許さねぇ！」

そう言いながらシャツを脱いだ寺坂は、転校生くんの前で低く構える。

「イトナ！テメェ俺とタイマン張れや！」

「やめなさい寺坂君！君が勝てる相手じゃない！」

「すっこんでろふくれタコ！」

水を摺ったせいですっかりぷっくりとしてしまってる殺せんせーにピッタリな言葉を投げつけた寺坂に対し、シロは馬鹿にするようにクスッと笑う。

「布切れ一枚でイトナの触手を防ごうとは健気だねぇ。黙らせろイトナ、殺せんせーに気をつけながらね」

冷たい視線を寺坂に向ける転校生くんと、シロの言葉に私は思わずカルマのシャツの裾を引く。

『ちょ、カルマ…』

さすがにあれはやばいんじゃ、と。

「いーんだよ。死にゃしない」

『え…？』

「あのシロは俺たち生徒を殺すのが目的じゃない。生きてるからこそ殺せんせーの集中を削げるんだ」

…あ、そっか。
納得のいく説明に、私はふむふむと頷く。

「原さんも一見超危険だけど、イトナの攻撃の的になることは無いだろう」

ちらりと枝に捕まっている原さんを見上げるけど、確かにさっきからイトナがそちらを気にするような素振りは見せない。

…おお、こいつ頭良いな。

「たとえ下に落ちても殺せんせーは見捨てないのは体験済みだし」

『体験？』

…まあ深くは面倒くさいから聞かないけど。
私がE組に来る前にでもこいつ下に落ちたんかな、なんて頭の中でぼんやりと考えた。