８１． ページ32
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『暑くて溶けるぅ…』
ノートで自分をパタパタ扇ぐ。
猛暑日が続くこの季節、私には辛いです神様。
「暑い暑い言わないでよ、余計暑くなるっつーの…」
『そういう莉桜さんもずっと言ってますけど…』
サボるために教室を出る元気すらない私は、自分の椅子でだらんとくたばっていた。
そこでカルマは私の肩に肘、頭に顎を乗っけた。
体温が伝わってきてさらに汗が滲んでくる。
『暑い、どけてよ』
「Aは暑くても泳げないからプール入れないじゃん、可哀想」
『でも行くだけで涼しくなるもん』
近くにいた莉桜は、ニヤニヤしながらもスマホをいじり出す。…意図は分からん。
急に私の前の席に座って顔を覗き込んできた莉桜はカルマと私を交互に見た。
「カルマも見たいんじゃないの、Aの水着姿」
『見たくないよねカルマ？ねっ？』
「せっかくスタイルいいのにさ。…身長はアレだけど」
『余計な一言が聞こえた』
最後に付け足された言葉についてツッコミを入れるけど、誰も反応してくれない。…悲しいことに。
「中村、誰もこいつの身体になんて興味は無いよ」
「おっ、もしかしてもう見慣れちゃってる？」
『見せてないですぅ！！』
「あ、まだなんだ」
口元に手を当ててこちらを見る莉桜に、かぁっと顔が熱くなる。
確かにそうだけどさあ…！！
『…しない、…っていうかさせないもん』
「じゃあここまでか」
『────っは！？』
そーっとスマホの画面を見せた莉桜。その画面に写っているのは修学旅行の夜の写真。
…そう、私とカルマがキスしてる写真のこと。
「あ、それなら俺も岡島に送ってもらった」
『は？…なにお前気持ち悪っ』
よく恥ずかしげもなく自分がキスしてる写真見れるよね！引くわ！！ドン引きだわ！！
…いや待てよ、こいつのはあとでこっそり消すとして、
『岡島あいつばら撒いてんのか』
じろ、と岡島の方を見ると、彼はびくっと肩を竦めてこちらを向いた。
なにを思ったのか「大丈夫、アウトな写真は持ってねーから安心しろ」と親指を立ててくる。
…何もグッジョブじゃねーんだけど。
『岡島、ちょっと2人きりになれるところ行こっか』
「えー、浮気？」
『大丈夫カルマ。もっと楽しいことだから』
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