【赤羽業】ウザさ９９％ Part2 (ページ17)

今日:14 hit、昨日:9 hit、合計:421,234 hit

６６．ページ17

『神崎さんっ！』

磯貝くんと前原が神崎さんの方へと集中がズレたのを良いことに、抜け出した私は彼女の元へ駆け寄る。

地面に横たわった神崎さんの頬は赤く腫れていた。

「お前らまだわかっていないようだなぁ。“はい”以外は無いんだよ」

この状況でも、鷹岡の表情は変わらなかった。
クレイジーサイコパス野郎って呼んでやろう。

「文句があるなら拳と拳で語り合おうか？そっちの方が父ちゃん得意だぞ」

『逆に文句が無いとでも…？』

怒りで言いたい言葉が出てこない。
神崎さんを支えながらも、私はキッと鷹岡のことを睨みつけた。

『私たちはあんたの軍隊でも人形でも無いから。早くおうち帰ってお人形遊びでもしてろよ』

「…聞き分けが悪いなぁ」

じろりとこちらを見た鷹岡の顔から笑顔が消えたのがわかった。

…また殴られる。

大きく拳を振りかぶった鷹岡に反射で目を瞑りそうになった時、烏間先生の声が響いた。

「やめろ鷹岡！」

その声に安心して目を開く。

「大丈夫か、Aさん！…神崎さんも首の筋に痛みはないか？」

『……大丈夫です』

「わ、私も大丈夫です…」

正直殴られたお腹も倒れたせいで掠った部分も所々痛いけど、支障は出ないほど。…多分。

…というか、この状況でみんなのこと置いて保健室になんて逃げたくないから。

「ちゃんと手加減してるさ烏間。大事な俺の家族だ当然だろ？」

『は？』

手加減という言葉の意味を知らないのかこいつ。

神崎さんに暴力振るっておいてそれはまじで裁判起こせるレベル。

「──いいや、あなたの家族ではない。私の生徒です」

私たちの目に映ったのは鷹岡の肩に触手を乗せている殺せんせー。

みんなは「殺せんせー！」と安心した声色で口を開いた。

…やっと来たよ担任。
小さく息を吐いた私は砂で汚れた体育着の裾をぽんと叩いた。

そんな殺せんせーに、フン、と鼻で笑う鷹岡。

「…文句があるのかモンスター？｣

『少なくとも私は文句しかないっすね』

「…体育は教科担任の俺に一任されているはずだ。そして、今の罰も立派に教育の範囲内だ」

…教育の範囲内？
ただの体罰にしか思えないけど？

──と口に出そうとはしたけれど、烏間先生も含めたみんなの視線が黙れって言ってたので黙ることにします。