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「君に言う義理は無いね殺せんせー。だがこれで納得したろう。両親も違う、育ちも違う、…だが、この子と君は兄弟だ」
シロさんは、殺せんせーの何かを握っているみたいにペラペラと話した。
急に眩しい光を放ったかと思えばダイラタント挙動を起こすとかなんとか。
…なんで知ってるのか。
「全部知っているんだよ、君の弱点は全部ね」
「──死ね、兄さん」
次々に攻めていく転校生くん。
脱皮まで使った殺せんせーだけど、押され気味だ。
…全部全部見透かされてる感じがする。
「これまじで殺っちゃうんじゃないの…」
ひなたちゃんの呟きに、なんだか焦りが込み上げてきた。
…別に、殺せんせーが殺されたら地球は守られるしいいことなんだけど。
なんていうか、複雑な感じがするというか。
せっかくなら私たちの手で殺したかったなって。
「──シロさん、この暗殺方法を計画したのは貴方でしょうが、ひとつ計算に入れ忘れてることがあります」
「無いね、私の性能計算は完璧だから。殺れ、イトナ」
シロさんの合図で襲いかかった転校生くんだけど、次の瞬間に彼の触手はどろりと溶けた。
驚いたのは転校生くんだけじゃない、私たちも。
「おやおや、落し物を踏んづけてしまったようですねぇ」
床に落ちているのは、対先生ナイフ…。
脱皮の皮の切れ端を持っていることから、きっと殺せんせーが自分では触れないようにして地面に置いたんだろう。
さっすがー…。
「同じ触手なら、対先生ナイフが効くのも同じ。触手を失うと動揺するのも同じです。…でもね、先生の方がちょっとだけ老獪です」
自分の抜け殻に転校生くんを包んだ殺せんせーは、勢いよく窓の外へと彼をぶん投げた。
うわお、豪快。
なんてちょっとだけ心配になって窓の外を見るけれど、傷一つない様子。
「先生の抜け殻で包んだからダメージは無いはずです。ですが、君の足はリングの外についている。先生の勝ちですねぇ」
煽るように殺せんせーの顔の色が変わる。
…負けた時にその顔されたらムカつくよね。いや、元からムカつく顔してるか殺せんせー。
「ルールに照らせば君は死刑！もう二度と先生を殺れませんねぇ」
そんな言葉に、転校生くんの目付きが鋭くなったことに気がついた。
『…今のは先生の言い方に悪意あったよね』
「はは、まぁな…」
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