星に願いを。【Mizuki.I 】 (ページ1)

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ﾋﾟﾙﾙﾙﾙ……

《まもなく電車が到着致します＿＿＿》

ざわざわとした駅のホームへ、放送を聞きながら走る。

「おそーい」

『ご、ごめん……！』

やっとの思いで着くと、
私のクラスメイトの井上瑞稀くんが待っていた。

「寝坊？」

『うん…夜更かししちゃった』

「ダメだよ寝ないとー……って俺は寝すぎ？」

『……いつ寝た？』

「21時」

『はやっ』

井上くんはよく寝るし、
とにかく普段からふんわりした性格で優しい。

クラスじゃ女の子からモテモテだけど、
気にしてないのか本人は自覚なし。

『わ、すごい混んでるね電車』

「ええいやだな」

『しょうがないよ……わっ』

「え、ちょ！」

人の波に押されて転けそうになったとき、
井上くんが手を掴んでくれた。

『あ、ありがとう』

「んーん、ちゃんとつかまって」

言われたように井上くんの手につかまると、

なんだか熱を持ってることに気づいた。

『…………井上くん、今照れてる？』

「黙ってくれる？…………がちめに」

少しドキドキした朝だった。

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