検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:4,947 hit

爽やかで甘い、:10 ページ10

.

「……『そんな対象に入らない、だってまだ会って少ししか経っていないから』とか考えたろ、今」
「は、」

考えていたことをぴしゃりと当てられ、多少動揺する。
いつも通りに笑う金田一に、腹が立った。

「今まで女の子に告られて、片っ端から断ってきた国見がなぁ……」
「だからちげえって……」
「国見のタイプはどんなやつだっけ」

……なんだこいつ、なんだコイツ。
なんでこんなに鬱陶しいんだ、どうしてこんなにも面倒なんだ。はやく帰りたい。はやく。

──俺のタイプ、というか好みは、年上の元気がある女性だ。初恋もどきの幼稚園の先生がそうだったから。
確かに菊地さんに当てはまってはいるが、美人すぎる人は得意じゃない。そこらへんの理由は、色々とある。

好きになった人が全員そうだったか? そう聞かれても答えは否である。つまり、タイプというのは、所詮求める理想のようなもの。
たとえば好きなアイドル、好きなキャラクター、そんな理想郷に近いし、それらを重ねてしまえば恋愛なんてできるはずもない。

そんなことはわかっている。
わかっているのだから、俺は、菊池さんのことを好きになる確率は、低いといえる。

そう言えるのに。胸を張って言えないのは、なぜだろう。言いわけにしか聞こえないのはなぜだろう。
……とても、悔しい。

.

爽やかで甘い、:11→←爽やかで甘い、:09



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (37 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
33人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ふいぁさ | 作成日時:2018年10月27日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。