爽やかで甘い、:10 ページ10
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「……『そんな対象に入らない、だってまだ会って少ししか経っていないから』とか考えたろ、今」
「は、」
考えていたことをぴしゃりと当てられ、多少動揺する。
いつも通りに笑う金田一に、腹が立った。
「今まで女の子に告られて、片っ端から断ってきた国見がなぁ……」
「だからちげえって……」
「国見のタイプはどんなやつだっけ」
……なんだこいつ、なんだコイツ。
なんでこんなに鬱陶しいんだ、どうしてこんなにも面倒なんだ。はやく帰りたい。はやく。
──俺のタイプ、というか好みは、年上の元気がある女性だ。初恋もどきの幼稚園の先生がそうだったから。
確かに菊地さんに当てはまってはいるが、美人すぎる人は得意じゃない。そこらへんの理由は、色々とある。
好きになった人が全員そうだったか? そう聞かれても答えは否である。つまり、タイプというのは、所詮求める理想のようなもの。
たとえば好きなアイドル、好きなキャラクター、そんな理想郷に近いし、それらを重ねてしまえば恋愛なんてできるはずもない。
そんなことはわかっている。
わかっているのだから、俺は、菊池さんのことを好きになる確率は、低いといえる。
そう言えるのに。胸を張って言えないのは、なぜだろう。言いわけにしか聞こえないのはなぜだろう。
……とても、悔しい。
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作者名:ふいぁさ | 作成日時:2018年10月27日 7時