爽やかで甘い、:14 ページ14
「思い入れの強い飲み物っていうかなあ、これ簡単なんだよ。家でも作れちゃうぐらい」
「え、」
「ふふ、国見くんでもそんなに目は開けるんだね」
……さりげなく馬鹿にされたような気もするけれど、そんなことより、これが家で作れるというのだろうか。
まさか。だって、こんなに綺麗なカクテル、よく見るバーテンダーなんかが作るようなものにしか見えない。いや、彼女がそういう風に見えるわけではないのだが。
「そりゃこんな綺麗な色は出ないよ! あの漫画みたいにシェイクしたりしないとできないもの」
「……振ったんすか」
「そりゃあね」
全く想像ができない。そんな、タキシードを着て行うようなことを、それこそ居酒屋の制服でやるだなんて。
「私もそこまでうまくないよ? ヨネシマさんだとか、チトセさんとかの方が、もっと綺麗に色が出る。あっ、メインになるお酒の色を変えたら、白くなったりもするんだよ。ここのがブラウンなのは、ヨネシマさんがそうしたかったから」
感動ともまた違う、驚きと感嘆が一緒に来たような気持ちに、思わず息を吐く。
前回同様マシンガントークなのに、俺の脳内にすっぽりと落ちてくる情報は、確かなものだといえるだろう。
「ヨネシマさんは店長ね?」
「ああ、あの背の高い、」
「そう。あの人は『NBA認定マイスターバーテンダー称号証書』を持ってるの。実質、バーテンダーの中で一番上の階級みたいなものかな。あっNBAはバスケじゃないよ!? 『NIPPON BARTENDERS ASSOCIATION』 っていって、日本のバーテンダー協会のこと。略してえぬびーえー」
「よく知ってるんですね……」
「でしょう?」
……彼女は、なにに成りたいのだろう。
バーで働くことだろうか。「ヨネシマさん」のように、バーテンダーになりたいのだろうか。
それとも、バスケに関する仕事をしたいのだろうか。
未練たらたらなその様子では、どちらを選んでも、彼女は後悔しそうだけれど。
「私ね、」
.
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作者名:ふいぁさ | 作成日時:2018年10月27日 7時