17話 ページ20
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私は意を決して部屋の奥へと進んで行った。
本当は死ぬほど進みたくない、見たくない。
けどこのままにしててもしょうがないんだ。
少し進むとお母様が血まみれになって倒れていた。
｢ッ!!……｣
涙が溢れてきた。
視界が滲んでしょうがないが残念ながら止まってくれない。
居間にはお母様しかいなかった。
私はこのまま庭へと出てみた。
庭には私の家族を襲った人と見られる敵が5人とお父様が倒れていた。
お父様も勿論怪我だらけで心臓に貫かれた後があった。
｢あああああああああ！！！！｣
私は無意識に叫んでしまった
叫ぶと言うより悲鳴に近かった。
どこからか鈴の音が聞こえた。
もしかしたら自分の眼の段階が進んだのかもしれない。
けれど今はそんな事を考える余裕は無かった。
私の脳内は何故か父と母が殺されないといけないんだという考えに支配されていた。
自分が死んだ時は悲しみも何も無かった。
けれど家族が死ぬとこんなにも悲しいものなんだ
私は何かが切れたように倒れてしまった。
最後に見たのはかつて父と修行した思い出の場所だった庭だった。
｢…ゃ、A…起きるんじゃ！A！｣
私はいきなりの大声ち少し驚きながらゆっくり目を開けた。
最初に見えたのは白い、うちではない天井と三代目火影の顔だった。
｢…三代目様…？｣
｢おおA！無事に目覚めてくれて良かったわい｣
｢……三代目様、私の父と母はどうなったのでしょうか｣
私はほんのひと握りの希望を持って聞いた。
｢………残念ながら間に合わなかった…すまん…｣
｢…良いんです…父と母を殺した相手は誰なんですか？誰かが倒れていたのは分かってたんですけどよく覚えてなくて…｣
｢……言いたくないが……木の葉の暗部じゃ｣
なるほど…ダンゾウが指示したのかな…
まあ里を抜ける口実が出来たから良いかな、父様と母様には死んで欲しくなかったからこんな形で抜けたくは無いけどしょうがないか…
｢それとお主の父がこれを握っておった。これはお主に預けよう｣
三代目は私に巻物を2個差し出した。
｢ありがとうございます｣
｢…儂はそろそろ戻るでのう…何かあれば気軽に呼んでくれ｣
｢…はい｣
そう言うと三代目は帰って行った。
私は巻物を開いてみた。
一つは口寄せ獣済の印が押してあった
きっと琥珀の巻物だろう
もう一つは普通に見てもよく分からない文字だった
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作者名：うちはミジンコ | 作成日時：2021年9月18日 22時
