14話 ページ17
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巻物から出てきたのは、琥珀より少し大きい純白で毛艶の良い狐だった。
｢…何故私を呼んだのですか、琥珀｣
うわあ凄い綺麗な声…見た目も綺麗だし声も綺麗だなんてもう美人すぎだね(?)
あ、人じゃないから美狐かな(
｢こいつが口寄せ獣になって欲しいんだとよ｣
｢お断りします｣
｢え！何でなんですか！｣
｢…理由は言えませんがお引き取り願います｣
なんだよ冷たいなぁ…
｢…理由言ってくれるまで帰らないもんね！(`･ω･´)ﾌﾝｯ」｣
｢…これを見てください｣
そう言って美狐さんは、右後ろ足を私に見せた。
｢…え、なにこれ…｣
足には大きな傷跡があった。
｢…前の口寄せ契約をした者に付けられたものです｣
つまり虐待って事か…
｢…そんな事をする人がいるなんて…｣
｢それ以来私は人が苦手になったのです。そして私はこの傷を付けられた時に契約主にも傷を付けてしまいました…なので私は見ず知らずの人間は信じられません。もう契約主を傷つけるのも嫌です。｣
｢…私は貴方から傷つけられることは無いと思う。そして貴方を傷つける事もないと思う｣
｢何故そう言いきれるのですか｣
｢…私こう見えて動物大好きなの！だから貴方や琥珀を見た時に凄い綺麗で可愛いって思ったんだ！こんなに可愛くて忠実で綺麗な狐が口寄せ獣になってくれたら良いなって。後琥珀と契約してもらってるお父様が羨ましいなってね！｣
｢…お父様ですって…？｣
｢あぁ、俺はコイツの父親の皐月と口寄せ契約交わしてるぜ？｣
｢何故それを早く言わないんですか！｣
｢え、なんかいけなかった？｣
｢私は昔皐月様に助けられたのです。それこそ契約主に傷を付けられて契約を切った後に途方に暮れていた時に手当てをしてくれた方ですから！｣
｢えええ！そうだったの！？お父様流石すぎる…そういえば貴方の名前は？｣
｢申し遅れました。私は白璃(ﾊｸﾘ)と申します｣
｢凄い素敵な名前…私は瀬戸Aだよ！…白璃、改めて聞かせて。私の口寄せ獣になってくれる？｣
｢勿論です。貴方のお父様に私は助けられました。今度は私が恩を返す番です。｣
｢ありがとう！じゃあこれからよろしくね！｣
ということで私と白璃は無事に口寄せ獣契約が出来ました！
巻物には直筆サインも書きました(
てかこれからうち帰るけどお父様覚えてなかったらどうしよ…
そしたら白璃と契約が無しになっちゃうかもだああ
まあ頑張ろ…
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作者名：うちはミジンコ | 作成日時：2021年9月18日 22時
