推しが今日も可愛いです【場地圭介】

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「おい、A」

「はい、なんですか千冬くん」



放課後になり


人が少なくなった教室で、ダンッと机を叩かれいつもにまして気迫に溢れた顔をしながら千冬は口を開いた



側から見たら、一般女子高生をカツアゲしようとしているヤンキーだろう



まあこんな少女漫画大好きなヤンキーいてたまるかって感じなんですけどね





「お前…覚悟決めろよ」


「はぁ？」



訳のわからないことを言われて、ついに場地くんの隣にいてイカれたかと思っていたら




「そんなに身構えんなよ、一ノ瀬サン」



あ、息止まった


ヒュッと喉から聞いたことのない音がした

原因は主に千冬の背後から現れた人のせいなんですけどね



「…千冬ぅ、コイツ大丈夫か？」


「気にしないでくださいいつものことなんで、おーい息しろA」


「…っは！！！」



あっぶね、そのまま逝っちまうところだったわ



「お…おおおはよう、ばばば場地くん、きょ…今日はいい天気だね！」


「今は夕方だし、今日は雨だ…はぁ……」




うるっせぇよ千冬

生きてるだけでも頑張ってるって褒めろ



「あのぉ…私この後用事があるんですけど、か…帰らせて」


「お前、場地さんがわざわざ来てんのに帰えんの？」




怖いよ千冬ぅ


幼馴染に向ける目じゃないよ、チンピラにガン飛ばしてる目なのよ



「私には刺激が強すぎるんだよ…！！なんで場地くんがここにいるの！？」

「俺に…場地さんの頼みは断れねぇよ」

「幼馴染の命と場地さんのお願いどっちが大事なの！？」

「場地さんのお願い」

「はーいこの前のテストの点数おばさんに言ってやる」





「やめろ！」とむぎゅっと頬をつままれた、痛い




そんなことをしてると千冬の後ろから「ふはっ！！」と誰かが吹き出した声がした


千冬の後ろにいる人なんて場地くんしかいないわけで



「なんかお前ら、仲良いな」


そう言ってにかっと笑った


え？？あーーーー、スぅ…



「…笑ったぁ」


目つぶれなかったかな…眩しすぎて



推しの、笑顔は世界を救うんですよ…わかります

わかんないでしょうねええ！！！！場地くん見たら理解するよ！



「そ…それで、場地くん、今日はどうしたの？」



さすがに直視は無理すぎるので千冬を前に置いて、恐る恐る場地くんに尋ねる


正直私が推しと話すなんて論外ですよ




「あー、それなんだけどさ

今週末俺たちにベンキョー教えてっくんね？」





神様、そろそろそっちに逝きますね

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