検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:59,870 hit

35 ページ36

「落ち着いたか?」


「…う“ん」





「声ガラガラじゃねぇか、飲めよ」と言って差し出された場地くんが買ってきてくれたアクエリアスを仰いだ





「ほんとめんどくせぇのなA」


泣きはれた目を擦りながら千冬を見ると、困ったように眉を下げて笑っていた



「振られたか?」


馬鹿、全然違うし



「…くら…た」


「なんて?」





「……告られた」




あー、千冬の顔がみれない


どうせこいつも場地くんの味方だろ、知ってるよ




「…そーかよ」



ほら、やっぱり私が怒られ…



「………え?」


「まー、どーせ?どっちの好きかわかんなくなったんだろ、なぁ…A」



じっと目を見てきてそう言った千冬



「なんで…わかんの」


「何年一緒にいるんだよ…人間関係についてはお前の頭より俺の方が上だわ」




そうだ、だって私は勉強しかして来なかったんだもん



でも千冬だって喧嘩しかしてこなかったじゃん、理不尽じゃん




「場地くんに…告白されて……」


「おー」


「私も、返事をさ…しようって、思ったんだけど……」


「……」


「言おうとしたんだよ、言おうとしたらさ」


あぁ…ダメだ、また涙がぶり返してきた、本当につくづく馬鹿だ私




「場地くんに…っお前の好きと……ふっ、俺の…好きは違うって…言われちゃって……」





ポロポロと大粒の涙が溢れた


千冬はそんな私をただ見てた、なにも言わずに…でもその時はそれが一番心地よかった




「違うんだよぉ…なんで、違うってさぁ……っぐ、言えなかったのかなぁ…うっ…ふっ……」





今更後悔しても遅いのは私が一番わかってるんだよ



でももう一度あの時に戻れたらなんて意味のないこと、考えずにはいられないんだ






「…擦るな、腫れる」


「……千冬ぅ、どうしよう、どう…」




そう言い終わらないうちにぽふっと頭に何かが乗った感覚がした




「馬鹿だなお前」


「…知ってる」


「俺のこと泣き虫って言うわりにお前の方が泣いてんじゃねぇか」


「だって…好きって言っても伝わんないじゃん…!場地くん馬鹿だし、わかってくれないじゃん」




私がそういうと千冬は「馬鹿はお前だ馬鹿」と乱暴にわしゃわしゃっと私の頭を撫でた








「お前のことが好きな場地さんが…





お前の話を聞かねぇわけねぇだろ、お前がちゃんと覚悟決めるまであの人はいつまでも待ってる」








じっと私を見た彼の目は場地くんに似てどこまでも真っ直ぐだった

新作→←34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (175 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
459人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

優ちゃ(プロフ) - 更新待ってます…!! (2022年2月8日 0時) (レス) @page37 id: 9e14dcf55e (このIDを非表示/違反報告)
らっか(プロフ) - ちょこれーとさん» ちょこれーとさん!!うわーー!!ありがとうございます!!嬉しすぎるお言葉頂きました!!更新頑張ります!! (2021年9月14日 21時) (レス) id: 673fcfd1a8 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - あーもう好きです!大好きです!場地さんも千冬くんも夢主ちゃんも可愛すぎて皆推せます!これからも頑張ってください〜(*´ω`*) (2021年9月14日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
らっか(プロフ) - しろいいしさん» しろいいしさんありがとうございます!!そう言っていただけて本当に嬉しいです....!!更新頑張ります! (2021年9月14日 6時) (レス) id: 673fcfd1a8 (このIDを非表示/違反報告)
しろいいし(プロフ) - 幸せな気持ちになります。頑張ってください! (2021年9月14日 1時) (レス) id: 47b7935063 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:らっか | 作成日時:2021年9月12日 10時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。