推しが今日も可愛いです【場地圭介】

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「おい」


「なに」




例の水族館デートは明日に迫っていた



正直死ぬほど緊張してる、こんなに緊張したの初めてだ

受験より全然緊張してる





「お前なんで場地さん避けてんの」


「は！？避けてないし！」




千冬に珍しく図星を指されてちょっとだけ声がおっきくなる




「何動揺してんだよ…なに？自覚でもした？」






頬杖をつきながらそういってくる千冬


なんでお前、こう言う時鋭いの…伊達に少女漫画読んでないなこのヤンキー







私がこくっと小さく頷いたら目の前の幼馴染はちょっと驚いて「まじかぁ…」と声を漏らした





「なにさ…いいじゃん別に」


「なんもいってねぇじゃん」




「でもあんまり場地さん避けてやんなよ」と彼はいった






「場地さん、最近お前と会えてなくてなんか機嫌悪いし」


「…は？」





「あっ…ヤッベこれ言っちゃダメだったやつかも」と慌てて口をつぐむも背後からは私でも彼でもない少し低い声が響いた






「何が言っちゃいけねぇって？千冬ぅ」


「場地さん！！」





どうやら何を言ったのかは聞こえてなかったらしく、千冬が慌てて「いや！ペヤングが家になかったんスよぉ…」って誤魔化してた




いや頭悪い言い訳だな





て言うか何？私が避けてたら場地くん機嫌悪くなるの？



この人が？



そう思ってちらっと千冬の背後に立つ場地くんを見たらまた目があった





あ、笑った





自覚してなかったら可愛い可愛い言ってただろうけど


いや可愛いんだけどさ、場地くんの笑顔で昔国救ったんだよきっと





でも自覚してしまってからは自分でも引くほどドキドキする、まじで心臓が痛い、死ぬんじゃないかな



場地くんがしてる一つ一つの仕草とか前よりじっくり見ちゃうし、目があったら緊張で逸らしちゃうし…話しかけられたらパニック起こす




あれ？あんまり変わってなくね？






「帰ろーぜ」



場地くんがそう言って千冬が後をついていく




知ってるよ、歩いてる時わざとちょっと遅めに歩いて私に歩幅を合わせてくれてること


場地くんの股下は二キロだからね…








でも多分、そういうちっちゃい気遣いとか優しさが無意識にできちゃう場地くんが


大好きなんだろうなって思ったら、また胸のあたりがキュって痛くなった








ほんと、場地くんと出会ってから初めてのことばかりだ

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