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「あン?




誰だよ、テメェら」




よく聞き慣れた低い落ち着いた、でもどこか怒りを含んだような声





目隠しをされていても視界がちょっとだけ明るくなった




ドアを蹴破ったんだ








「テメェら、誰に手ェ出してんだ」



ちょっとだけ高いけど、小さい頃からよく聞く声







なんで




「俺らに喧嘩売ったンだからよぉ、やっていいんだろ?なぁ千冬ぅ」


「っス!場地さん」






なんで、本当に馬鹿なのかなんなのかわかんない






「…なんで?」




近くにいた男たちの気配が遠のいたと思ったら、建物内に響き渡る人を殴る音





「おいゴラァ!!」


「う“ぁっ…!」





ぶちぶちっと体にまかれた縄をひきちぎられ髪をぐいっと引っ張られて立たされた





「…ッ!A!」





焦ったように私を呼ぶ千冬の声が聞こえた






チャキッと首に何か冷たいものが当てられたのを感じた



いくらバカでも…この状況で何が当てられたかなんて、流石にわかるだろう






「…オンナに複数、しかも武器とか…どんだけダサくなれば気がすむんだよテメーら」





さっきより随分と低くなった声で私の首にナイフを当てている男にいった場地くん


きっともうこの場にはこの人しかいなくなったんだろう




やけくそになって人質とか…





「ちょっとでも動いてみろ…!こいつを……殺すぞッ!」




グッとナイフを強く首に突きつけプチっと肌が少し切れる感覚がした






「おい!やめろ!!」


「千冬ぅ…黙っとけ」





焦る千冬を宥めながら足音が近づいてきた






コツコツコツ





「お、おい!!近づくんじゃねぇよ!」



男の体が少しよろめき、後ずさった





ピタッと足音が止まったかと思うと



ゴッと言う鈍い音が耳元で響いた後、首にあった冷たい感触が消えた







「殺す覚悟もねぇのに傷つけてんじゃねぇよ」



ふわっと視界を覆っていたものが外され、目の前がピカッと真っ白になった





「……場、地くん」


「おう!」




段々と目が慣れてきた後、一番に目に入ってきたのは



たくさん見てきた大好きな場地くんの顔





彼は私を安心させるためか笑顔を浮かべてくれた





タッタッと駆け寄ってくる千冬の顔を見て、助かったという実感がようやく湧いてきた




いつもなら卒倒するであろう場地くんの笑顔も今日は興奮するものではなく、安心するものだった









「…!おい、大丈夫か?やっぱ痛かったか?」

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優ちゃ(プロフ) - 更新待ってます…!! (2022年2月8日 0時) (レス) @page37 id: 9e14dcf55e (このIDを非表示/違反報告)
らっか(プロフ) - ちょこれーとさん» ちょこれーとさん!!うわーー!!ありがとうございます!!嬉しすぎるお言葉頂きました!!更新頑張ります!! (2021年9月14日 21時) (レス) id: 673fcfd1a8 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと(プロフ) - あーもう好きです!大好きです!場地さんも千冬くんも夢主ちゃんも可愛すぎて皆推せます!これからも頑張ってください〜(*´ω`*) (2021年9月14日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
らっか(プロフ) - しろいいしさん» しろいいしさんありがとうございます!!そう言っていただけて本当に嬉しいです....!!更新頑張ります! (2021年9月14日 6時) (レス) id: 673fcfd1a8 (このIDを非表示/違反報告)
しろいいし(プロフ) - 幸せな気持ちになります。頑張ってください! (2021年9月14日 1時) (レス) id: 47b7935063 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:らっか | 作成日時:2021年9月12日 10時

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