きっとこれは恋の色 ページ8
「ねぇ、ミナト」
「ん？」
コーヒーを飲みながら新聞を眺めていたミナトに声をかけると、ミナトは新聞から目を離して視線を上げ、コーヒーを置いた。
私はそんな彼に近寄り、人差し指と親指で持った紅を渡す。
「マニキュア、塗ってくれない？」
「…へ？」
―――
――
―
「私本当、マニキュア塗るの本当下手くそなんだよね…」
除光液で爪の油分を落としながら私が冒頭にミナトに話しかけた理由を話した。
ミナトは「そうなんだ…オレは男だから、あまり女性の悩みは分からないなぁ」と苦笑を零す。
「それで理解されてたら本格的に私の女としての立場無くなるんだけど…」
「Aは列記とした女性だろう。…少し男前なところもあるけど」
「ミナトはか弱いところがあるよね」
「やめてくれ…」
最後に小指の油分を取り、「うん、OK」と満足気に笑ってから、私はミナトにベースコートを渡した。
「はい、まず最初にこれ塗ってください」
「ん！了解」
「あんまり毛先にたっぷりつけすぎないでね」と忠告すると、「こ、これくらい…？」と適度な量に調節されたそれを見せられる。
「…なんでそういうとこ器用かなぁ」と笑ってから、それでいいよ、と返事をした。
「んじゃあ、まずは左からお願いします」
私から見て左を差し出すと、ミナトは私の手を優しく取った。
訓練やら何やらで厚くなった皮。男らしい様をしていながら綺麗な形をしている彼の手が私は好きだ。そこから伝わる温もりも、全部。
「…こ、こんな感じ？」
いやに緊張した様子でそう話しかけてきたミナトに私は頬笑みを零す。
「うん、いい感じだよ」
「何だか緊張するね…」
「まだベースコートだからそんなに固まらなくて大丈夫だよ笑」
優しい薄橙は冷たくて、固まると何だか爪の上に硬い壁があるような少し違和感を覚える。
あまりこの感覚は好きじゃないのだけれど、ミナトが一生懸命にやってくれているので何だかそれが愛しい。
やがて左手が終わり、右手にもベースコートを塗り終わった頃に、私は一旦ミナトに「お疲れ様」と声をかけた。
「ベースコートは完全に乾かなくても大丈夫だから、あと一分くらいしたら色塗ろっか。本当は最初の方に塗ったところからもう色を重ねていけばいいんだけど、ミナトくんがなんか凄い緊張してたからね〜笑。ちょっとだけ休もう」
「うっ…ごめんね…」
「なんでそうなるの笑。可愛かったからいいよ」
「…それはそれでダメだろう」
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ほなみ(プロフ) - いえいえ！了解です！ (2018年10月7日 14時) (
レス) id: d6ff15c8b2 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ほなみさん» そんなことないですよ！っていうか、もうそろそろそれについてお話しようかなぁ、なんて思っていたところです笑。またその件については小説内でお話しますね！笑。 いつもご愛読下さりありがとうございます…！めっちゃ嬉しいです…！！ (2018年10月7日 7時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ほなみ(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！質問ですが、この小説ってナルト生まれてこない設定なんですか？ (2018年10月7日 1時) (レス) id: d6ff15c8b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱猫 x他1人 | 作成日時：2018年8月17日 16時
