どこまでもレモン味３ ページ3
「んじゃ俺ら色々買ってくるから、二人でそこ守っといてくれよ！」
場所取りを早々に終わらせた後、買い物に情熱を注ぐクシナとツミテの見張りとしてクウトが派遣され、結局私達は場所のキープ役を押し付けられてしまった。
まさかこんな早々に想い人とのこんなアクションが来るとは思っていなくて、とりあえずレジャーシートに二人とも静かに腰を下ろしていた。
約20cmの距離でさえ、私の心臓の音がミナトに聞こえてしまいそうで冷や冷やする。
私はそんなことを心配しながらも、隣でひたすらに夜空を見上げるミナトに視線を向けた。
幼い頃から整っていた顔と、派手な色と形をした彼の髪。そこまでは見慣れているのだけれど、どうしてか今日は男子全員、甚平を着ていた。
去年は私服だったのに、なんて思いながらも、まだ十代でありながらどこか首元に色気を漂わせるミナトに、ドキドキが止まらない。
紺と薄暗い灰色の甚平。女性のように派手ではなくシンプルなデザインだが、それがいい。
彼に派手な飾りなどいらないだろう、だって彼自身が美しい宝石なのだから。
「…ミナト、甚平着てるんだ」
「えっ？あ、う、うん。好きなk…女の子とも夏祭り行くって言ったら、お母さんがお父さんのお古の甚平を出してきたんだ。もう年頃だろうって。ひ、必要無いのにね…」
居心地悪そうにミナトはそう言うけれど、正直私はそうは思わなかった。
この甚平はミナトによく似合っている。
いつもとは雰囲気が違うからとてもかっこよくて、この姿でいつもの優しい笑顔を向けられたら誰でもイチコロだろう。私がその第一被害者だ。
だから私は自分の中で荒ぶる彼へと恋情を何とか隠しながら、不自然じゃない程度に賞賛の言葉を口にした。
「…そうかなぁ」
「………え？」
「ミナト、私服だと優しそうでちょっと弱そうな感じするけど「弱そうな感じ…」甚平だといつもと雰囲気違うから、大人っぽくてかっこいいよ。ミナトの甚平姿、私はいいと思うけど？」
「っ…あ、ありがとう」
ミナトは赤面しながらそんな声を絞り出した。
私は言った後で何だかナンパしているような先程の言葉にこそばゆさを感じて、私とミナトの間に何だか甘酸っぱい空気が流れる。
帰ってきた三人に「何してるの？」と聞かれるまで、私達はそれなら言葉を交わさず、お互いに赤面したまま黙り込んでいた。
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「っていう、甘酸っぱい思い出が二人にはあるんだってばね〜笑」
「「もうやめてっ！！」」
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ほなみ(プロフ) - いえいえ！了解です！ (2018年10月7日 14時) (
レス) id: d6ff15c8b2 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ほなみさん» そんなことないですよ！っていうか、もうそろそろそれについてお話しようかなぁ、なんて思っていたところです笑。またその件については小説内でお話しますね！笑。 いつもご愛読下さりありがとうございます…！めっちゃ嬉しいです…！！ (2018年10月7日 7時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ほなみ(プロフ) - 楽しく読ませていただいてます！質問ですが、この小説ってナルト生まれてこない設定なんですか？ (2018年10月7日 1時) (レス) id: d6ff15c8b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱猫 x他1人 | 作成日時：2018年8月17日 16時
