かみあそび８ ページ9
『もしかしたらその男の子は、轟家の子なのかもしれませんね。轟家は、昔から式折家との縁が深い故、式折の忌み子については軽い程度の知識はあります。しかしまぁ、きっと妄想で語られる部分もありますでしょうから、その男の子が轟家の者と仮定すれば、A様の正体を知ってそこまで警戒したのはそのせいでしょう』
一青の説明は、酷く分かりやすかった。
だからこそ、とても衝撃的だった。
けれど、まだあまりにも価値観のない私は、その話にどんな感情を抱けば良いか分からなかった。
否。抱いた感情のどれを汲み取ればいいか、その頃の私は分からなかった。
一青の話をまとめれば、要は私は式折家にとって邪魔で仕方ないという存在である。
その話を理解した瞬間に生まれた感情は、悲しみや恐怖、驚き、申し訳なさ、衝撃。勿論、それだけではない。
色々な感情が組み合わさって、あの頃の私にはあまりにも難しい感情になっていた。
『…そうだったんだ。ありがとう』
涙も流さず、笑いもせず、とても無機な声で私は一青にそう言った。
一青は物凄く申し訳なさそうな表情をして、私にかける言葉を探しているようだった。
私はそんな一青に『大丈夫だよ。ちょっと、混乱してるだけだから』と言い、一青を背に、その場に立ち上がった。
止めようとする一青を無視し、私は独り、満月の見える縁側に腰を下ろす。
一青は察してくれたらしく、私の隣や近くに来ることは無かった。
…私は、忌み子。お父様やお母様、乃神、お手伝いさん達にとって、私は邪魔者。
加えて、轟家も、私のことを嫌っている。
一青には焦凍の名前は明かさなかった。
『屋敷に迷い込んできた私くらいの歳の男の子』
それだけだ。
そう言えば焦凍は、苗字を轟と名乗っていた。
…だから、焦凍は私のことを警戒したのか。
…だから、焦凍は私のことが嫌いなのか。
焦凍だけじゃない。いつも私を慕ってくれている乃神も、世話をしてくれる一青も、私のことが邪魔だと感じているのかもしれない。
…そこまで考えたところで、私はやっと、汲み取るべき感情が分かった。
「…っ…ぅ…ぐ…ひぐっ…」
ぼろぼろと流れる大粒の涙に、私は嗚咽を漏らすことしか出来なかった。
一青が買ってくれた紫陽花の咲き誇る着物に、ぽたり、ぽたりと、紺色の染みが咲いていく。
まだこの夜は終わっていない。欠けることのない満月が、酷く滑稽に思えた。
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朱猫(プロフ) - ムルムルさん» 了解です！ (2018年2月5日 18時) (
レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 朱猫さん» プロフからフレンド申請ができるはずなので、こちらから申請しておきます！轟くん達からコメントがあります！(多分) (2018年2月5日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ムルムルさん» 是非！！…と言いたいんですけれど、すいません、フレンドってなんですか…？？どういう仕組みでフレンドになれるんですか…？？？あまりにも占ツク初心者すぎて、それすらも分かりません…(泣)もし良かったら教えてください…本当すいません…(TT) (2018年2月5日 16時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 朱猫さん» はい！そちらも頑張ってくださいね！あ！あの！よろしかったら、コミュでフレンドになりませんか？ (2018年2月5日 8時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ムルムルさん» よ、喜んでくれたのなら良かった…！ほんともうお礼言われる程のこと言えてないと思いますし、すっごい生意気なこと言ってしまいましたが、ムルムルさんのこと応援しています！頑張ってください！ (2018年2月5日 6時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朱猫 | 作成日時：2018年1月18日 14時
