かみあそび３８ ページ41
「えっっ、氷と炎を同時に！？凄いじゃないか、焦凍君！もっと詳しく教えてくれないかな！？」
「俺も聞きたいな！大丈夫か？轟君」
「あぁ、構わねぇ」
心做しか嬉しそうに自身の個性の話を出久と天哉に話す焦凍。
そんな三人を横目に私はお茶子、勝己の二人と、穏やかとは言えない雰囲気で会話をしていた。
「おいA！あいつは何なんだよ！！」
「轟焦凍。個性は半冷半燃で、轟家の末っ子…」
「そういうことじゃねぇ！何であんなやつがここにいんのかって聞いてんだ！」
「何でって言われてもね…」
私が苦笑すれば、勝己は不機嫌そうに顔を逸らした。
焦凍のどこが気に入らないのか。直感的に合わないと感じているのか。
何にしろ、まだやっぱり子供っぽいところは変わっていないんだなと、呆れの混じったため息が漏れた。
「まぁまぁ！あの子、悪い子には見えんし、とりあえず様子見たらええんちゃう？」
不意に横から声をかけてきたお茶子に、私は「そうそう」と適当に返しながら勝己の様子を伺った。
変わらずしかめっ面の彼に、私は内心『顔凄いなぁ…』と場違いなことを考える。
しかし、そんなのを顔に出すわけにはいかないので、笑顔のまま、最後に「ね？」と一押しした。
「…チッ。あいつが変なことしたら顔面一発だかんな」
「またそうやって物騒なこと言うんやから…」
「まぁいいじゃないの。勝己も納得してくれたみたいだし」
勝己が何とか構えた手をしまってくれた頃、横で全く違う雰囲気できゃあきゃあと話していた三人が目に入った。
焦凍は自身に興味を持ってくれているのが相当嬉しいらしく、出久や天哉と同じくらい瞳を輝かせて話に花を咲かせている。
またしかめっ面を浮かべる勝己の背中をとんとんを叩きながら、私はそんな三人に向かって口を開いた。
「どんな話してるの？私達も仲間に入れてほしいな」
私が微笑みながらそう声をかければ、三人とも快く仲間に入れてくれた。
どうやら今は焦凍の個性の仕組みについて話を聞いているらしく、出久の興奮が半端じゃない。
私の隣でまだ焦凍を威嚇している勝己はもう放っておこうと思う。
楽しそうに、かつ必死に焦凍の話を聞く出久に、生暖かい視線を送りながら、私はまた口を開く焦凍の話に耳を傾けたのだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 38人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
朱猫(プロフ) - ムルムルさん» 了解です！ (2018年2月5日 18時) (
レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 朱猫さん» プロフからフレンド申請ができるはずなので、こちらから申請しておきます！轟くん達からコメントがあります！(多分) (2018年2月5日 18時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ムルムルさん» 是非！！…と言いたいんですけれど、すいません、フレンドってなんですか…？？どういう仕組みでフレンドになれるんですか…？？？あまりにも占ツク初心者すぎて、それすらも分かりません…(泣)もし良かったら教えてください…本当すいません…(TT) (2018年2月5日 16時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
ムルムル(プロフ) - 朱猫さん» はい！そちらも頑張ってくださいね！あ！あの！よろしかったら、コミュでフレンドになりませんか？ (2018年2月5日 8時) (レス) id: 42a08529e9 (このIDを非表示/違反報告)
朱猫(プロフ) - ムルムルさん» よ、喜んでくれたのなら良かった…！ほんともうお礼言われる程のこと言えてないと思いますし、すっごい生意気なこと言ってしまいましたが、ムルムルさんのこと応援しています！頑張ってください！ (2018年2月5日 6時) (レス) id: ad9000e765 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱猫 | 作成日時：2018年1月18日 14時
