青城マネは性格が悪い (ページ9)

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８　自称・お姫様ページ9

side佳澄
　『まぁ、現実なのは仕方無いです。それで、さっきから言ってるあいつって』
誰ですか？
　そう紡ごうとした僕の口は、
　「しゅ、しゅみましぇ～んっ！あ、噛んじゃった。遅れましたぁ！」
　気持ち悪いほど甲高い裏声の登場によって強制的に閉じられた。
及「麻里、遅れるときは監督か俺に言ってって言ったよね？」
　「ふぇっ！い、言いにいきましたよぉ。でも、監督も及川さんも見つけきれなかったんでしゅあっ。ですっ！急ぎの用事でしたから、探しに行く時間が無くて。今度からは気ぉ付けます」
及「うん、分かった」
　取り繕った笑顔の及川さんと押し黙ったバレー部の皆、そして可愛らしい顔を作っている女子を見て、一つの疑問が沸いた。
　何で、もっと厳しく言わないんだろ？
　「ところでっ。そこにいる子は誰でしゅか、あっ。ですかっ！？」
　気持ち悪い、ウザい。あのね、マイメロディって可愛いとは思う。でも、その量は無い。黒いスクールバッグに10個程のマイメログッズがぶら下がってんだけど。恐怖でしかないよ。昔どっかで、【マイメログッズを集める女と小文字を使う女はメンヘラ】ってのを聞いた気がする。関わりたくねぇ。
　『あ、マネージャー希望の２年、波成佳澄です。えっと、貴女は？』
　「藍田麻里って言いますっ。一年生ですっ。よろしくお願いします、先輩っ！」
　語尾に小文字を使うな。ピョンピョン跳ねんな。目障り、耳障り。そして、睨んでんの分かってっから。バレバレだから。
及「麻里。佳澄ちゃんに仕事教えてあげて」
　だから、佳澄ちゃん呼び許可してねぇだろ。
藍「え？でも、でもっ。麻里も最近なったばっかりですしっ。人に教えるなんて事っ････」
　面倒臭ぇこいつ。
　『否、マネージャーの仕事内容くらい分かってるんで。水道と容器の場所、濃さの好み教えてくれたら良いから』
藍「あ、水道と容器は此方ですっ！じゃあ、練習頑張って下さいねっ」
　お前力強いな。もしかして、ゴリラなんじゃ？
岩「なんかあったら呼べ。藍田については後から話す」
　一さんが耳打ちしてきたので、それに小さく頷きぶりっ子走りの藍田麻里についていった。

藍「ちっ」
　おおう。今隠さず舌打ちしたな。確かにこの水道、体育館から離れてるけどさ。
　『麻里ちゃん？』
藍「気安く麻里を呼ばないで。あのねぇ！分かって無いようだから言っとくけど、バレー部のお姫様は麻里なの！あんたなんていらないから！すぐ追い出してやる！」
　