１３ 昼休み緊急会議 ページ14
side矢巾
今朝の話だ。靴箱の前で固まっていた佳澄に昨日の電話について聞こうと思って声を掛けた。始めは気付いて無かったんだ、佳澄の足下に広がる白い山に。いわゆるラブレターという奴だ。確実に。こいつたった一日でこんな惨状作り上げるのかよ、と思った。そのラブレター達は渡に回収された。ナイス、渡。
クラスは、１組に凄い美少女が転校してきた！と盛り上がっていた。確かに美少女だよな。性格知っても、ドキッとするぐらい。特に笑顔。あれはもう殺しに来てる。
及「矢巾！今朝の事について、昼休みに会議するよ！屋上集合！」
『っ！あ、はい』
思考の海の底から及川さんの声で浮上する。渡、話回すの早すぎだろ。
及「あ！矢巾来た」
辺りを見回して見ると、３年も１年も全員集まっていた。
『後は、京谷と渡だけですね』
渡「すみません！遅れました」
岩「まだ京谷が来えねぇし、大丈夫だべ」
その言葉を聞くと渡はほっとしたように顔を緩ませた。次いで、京谷が無言で入ってくる。
及「それで、渡っちと矢巾は今朝の事について詳しく説明してくれるかな？」
渡と目を合わせて、うなずく。
『その、靴箱の前で固まっていた佳澄に声を掛けたら･････』
渡「佳澄の足下と靴箱いっぱいにこれがありました」
と、パンパンに膨れ上がったレジ袋を突き出した。それを見て、皆げんなりした顔をする。そりゃそうだ。渡が持っていたレジ袋は相当大きいもので、それがパンパンに膨れ上がって、もうはち切れんばかりなのだ。
国「先輩、顔は可愛いですもんね」
花「性格は悪ぃけどな」
『ただ、佳澄これラブレターって思ってませんよ。嫌がらせって言ってましたもん』
松「あいつやっぱ天然入ってね？」
キーンコーンカーンコーン
昼休み終わりの予鈴が鳴って、昼休み緊急会議は、打開策を見つけられないまま終わった。ふと、思い出したので及川さんに聞いてみた。
『及川さん、近いうちに合同合宿するんですか？』
及「あ････。言ってなかった！あるよ！明日から！」
『ええ！？それ急すぎません？』
否、１ヶ月くらい前に聞いてた。
そう言い切った及川さんにため息と呆れ顔をプレゼントした。
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作者名：悠 | 作成日時：2018年9月24日 21時
