青城マネは性格が悪い (ページ13)

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１２　靴箱に靴が入らないページ13

side佳澄
　朝イチで、徹さんに文句を言いに行こうと思ったけど、今日は朝練無い日だった。ついでに徹さん、朝遅いそうで。
　うん。ぼーっとしたてしね？自業自得なとこがあるのは知ってる。でもさ、こんな事誰が予想できる？眼下に広がるのは、山の様な白い封筒達。なのに、僕の靴箱にはまだ白い封筒が溢れている。
　『どうすんだよ、これ』
　
数分前の出来事です。
ドサッ
　靴箱を開けた。瞬間、白い塊が物凄い音を立てて降ってきた。思わず名前の確認４、５回したよ。

　･･･そろ～っと閉じて見なかったことにしたいけど、足下の白い塊がそれを許してくれない。ちょっと気になって一つ拾ってみた。
　波成佳澄さんへ
　それだけ。差出人の名前すら無いそれを首をかしげながら見ていた。
矢「はよ佳澄。お前････うわっ」
　『おはよう秀。これどうするのが正解？』
矢「さあ？」
　『････レジ袋かなんか持っとる？』
矢「俺は持ってない」
　さあ、どげんしよ。
　『あ、親二。レジ袋持ってない？』
渡「あってすぐそれ？何の為に･･うわっ」
　『どう処理するのが正解か分かんないから、取敢えず袋詰めにでもしようかと』
渡「なるほど。レジ袋なら持ってる」
はい
　手渡されたそれに白い塊を無表情でひたすら詰めていく。落ちているものが終わったら、靴箱の中。気持ち悪いほどぎっちり封筒が詰めてあった。････嫌がらせなのかなんなのか知らないが、加減しろよ。靴箱に靴が入らないとか、初めての経験だわ。
　秀も親二もげんなりしてるのが分かる。多分僕も同じ顔。
　
渡「それ、俺が貰おうか？」
　『嬉しい申し出だけど、どうするの？』
渡「良いから！」
　いきなり大声を出した親二にびびりはしたものの。
　『じゃ、頼む』
　大人しく渡した。
　
　それ以上はクラスに入るまで誰もその話題を口にしなかった。