49.鍵 ページ6
---坊 side---
「下手くそな演技しやがって！」
朝方、誰もいない廊下をずしずしと歩く
雅のあの言葉はすべて本心でないことは分かっている
そしてそれは優しからの嘘だということも
信じちゃいない？だったら監視されてると感づきながらもいつも通りでいるはずがないだろが
俺を巻き込まない為
それがあの行動のすべての理由だ
すべてを一人で背負い込むために、孤独な道を選ぶ
優しすぎんだよ
バカ野郎が
これだからほっとけねぇんだ
あいつを一人にしちゃいけねぇ。いけねぇんだ
こうなったら、最後の頼みはあいつしかない
館を出て”いつもの場所”へと向かった
.
たどり着いた一面の花畑
そこには案の定、あいつがいた
「大野…智…」
雅は来ていない
丸い背中が寂しそうな雰囲気を漂わせていた
俺は思い切ってそいつに近づく
足音で分かったのか瞬時に振り向いた大野智
雅だと思ったのだろう
俺の顔を見て驚いた顔をしている
「悪かったな。雅じゃなくて」
大:「え、なんで」
隣にどかりと腰掛ける
「なぁ…雅とお前って、どういう関係なんだ？」
いきなり現れて、さらに単刀直入な質問に挙動不審になる奴
大:「えぇ？…どういう関係って、だから、前にも言った通り、オイラが新人だから、気にかけてくれてるってだけで…」
「違うだろ！」
俺の大声に、黙って俺を見る眠そうな目
「違うだろ？なんか、あるんだろ？お前と雅の間には、何かが。見ればわかる。教えてくれよ」
しかしその問いに奴は俺から目線をそらして言う
大:「だから…何もないよ」
「…俺が湯婆婆の息子だからか？」
俺の言葉に一度俯いた顔が再びあげられる
「信用してねぇんだな。まぁわかるけどよ…でも…俺はばーばとは違う！」
気が付けば俺は奴の肩をつかんでいた
「なぁ、頼むよ。お前が雅を助ける鍵になるかもしれねぇん…」
そこまで言いかけて、俺の頭の中で雅によって手を振り払われたあの時のシーンが浮かんだ
そして同時に、雅とこいつが楽しそうに話す場面
雅のこいつに向けられたあの、まるで母親がわが子に向けるような優しいまなざしが浮かんだ
そして目の前の顔を見る
ダメだ…
こいつは、巻き込んだら
「くっ」
俺はゆっくりと手を下した
大:「…？ねぇ、何の話？助けるって」
「っなんでもねぇ。いいんだ。悪かったな。変に追い詰めて…」
それ以上、奴の顔を見れず
大:「あ、ちょ、ちょっと待って」
背中から聞こえる声を無視して俺はその場を逃げるように去った
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さとこ(プロフ) - 西園天馬さん» 覗いて下さった上コメまで、ありがとうございます！絆が伝わり嬉しいです^ ^私も天然コンビ大好きですよー！ (2017年3月27日 21時) (
レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
西園天馬(プロフ) - とても面白かったです！天然コンビの絆に涙が出そうになりました！天然コンビ大好きです！！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: a0a85a5957 (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 智love嵐さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー！>_<はい(^_^)またお話が思いついたら是非書かせていただきますね！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
智love嵐(プロフ) - 完結おめでとうございます！出来れば、また天然の作品書いてください♪ (2016年10月13日 17時) (レス) id: 862c75d4ed (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 藤菜さん» 初めましてーっそしてコメをありがとうございます>_<そう言っていただけて嬉しいです！(T_T)頑張ります！(私も相葉さん大好きです！) (2016年10月7日 23時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとこ | 作成日時：2016年9月25日 22時
