61.銭婆 ページ18
---大野 side---
『沼の底』の駅に着いたときは、もう真っ暗だった
駅からの一本道を歩いていると、向こうから光るものがぴょんぴょん跳ねながらやってきた
びっくりして一歩あとさずり固まる
よく見ると、なんとそいつはカンテラだ
動くカンテラはオイラの前まで来ると、丁寧にお辞儀をした
え、と思いつつもつられてお辞儀を返す
すると、カンテラはくるりと向きを変えると跳ねながら進む
少し進んだところで止まり、ついて来いとでもいうようにオイラの方に振り返る
案内してくれるつもりなのか…？
オイラはカンテラの後についていくことにした
暗い夜道を照らしながら、カンテラは進んでいった
.
しばらく歩くと、手作り感あふれる門が見えて、その向こうに家があった
あれが、銭婆の家か…？
カンテラは門の下に着くとぴょんと高く飛び上がり、上に付いて門の明かりとなった
ここなんだ
一歩一歩進んで、とうとう家のドアの前まで来た
どきどきしながら立ちすくんでいると、ひとりでにドアが開いて
声がした
銭:「おはいり」
大きく息を吸い込んで勇気を出して入ると
湯婆婆とそっくりの大きな顔がオイラを出迎えた
別人とは分かっていても、思わず身構えてしまう
しかし
銭:「よく来たね」
湯婆婆とは違う優しい声と穏やかな表情に、ふっと少し肩の力が抜けた
落ち着いて一礼する
「はじめまして。大野智といいます。あの、」
銭:「まぁまぁそんなかしこまらなくていいから。もう話は坊から聞いてるいるよ。」
「え、坊から…？」
銭:「とりあえず、一息つきなされ。お茶を入れるからね」
そう言うと銭婆は椅子を引いてオイラに座る様に即した
正直お茶を飲むような気分ではなかったけれど、とりあえず椅子に座った
改めて家の中を見渡す
暖かそうな暖炉に台所
糸車や毛糸玉
必要最低限のほかはあまり物がなくて、すっきりしている
湯婆婆と比べるととても質素な感じだ
お茶も魔法なんか使わずに手で丁寧に入れている
姿は瓜二つだけど、中身は正反対みたい
そんなことを思ってる間にお茶が入ったようで、銭婆がオイラの前にカップを差し出した
そこにゆっくりとお茶を注ぐと、銭婆も隣に座った
銭:「さぁ、おあがり」
「あ、ありがとうございます」
注がれたお茶を少しすすると、ほんのり甘くて優しい味がした
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さとこ(プロフ) - 西園天馬さん» 覗いて下さった上コメまで、ありがとうございます！絆が伝わり嬉しいです^ ^私も天然コンビ大好きですよー！ (2017年3月27日 21時) (
レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
西園天馬(プロフ) - とても面白かったです！天然コンビの絆に涙が出そうになりました！天然コンビ大好きです！！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: a0a85a5957 (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 智love嵐さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー！>_<はい(^_^)またお話が思いついたら是非書かせていただきますね！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
智love嵐(プロフ) - 完結おめでとうございます！出来れば、また天然の作品書いてください♪ (2016年10月13日 17時) (レス) id: 862c75d4ed (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 藤菜さん» 初めましてーっそしてコメをありがとうございます>_<そう言っていただけて嬉しいです！(T_T)頑張ります！(私も相葉さん大好きです！) (2016年10月7日 23時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとこ | 作成日時：2016年9月25日 22時
