59.海列車 ページ16
---No side---
坊の案内で出た場所は、館の裏側だった
二人は外階段を下りて、そこにつけられていたたらい船に乗る
坊がギコギコと漕いで、線路のわきにたらい船を寄せた
坊:「ここから歩け。駅は行けばわかる。」
大:「わかった。ありがとう。」
坊:「おい、ちょっと待て」
線路に降り立った大野に、坊は懐から何かを出して手渡した
大野はそれをまじまじと見つめる
大:「お守り…？」
それはかなり古びたお守りだった
坊:「前に、人間の友達が俺にくれたんだ。もってけ。」
大:「…ありがとう。」
大野が小さく笑顔になって言うと、坊も穏やかな表情になった
大:「じゃ」
坊:「おぅ…」
駅に向かって歩いていく大野の姿を、坊はしばらく見つめていた
と、大野の姿が大分小さくなったとき、坊はピューっと口笛を鳴らした
すると、どこからともなく一羽の白い鳥が飛んできて坊の肩に乗った
坊:「少し頼まれてくれ」
鳥を撫でそういうと、懐から紙と筆を取り出し、何かを書き始める
しばらくして、書き終わったのかその紙を鳥の足に結んだ
坊:「銭婆おばさんとこまでよろしく」
坊が言うと、鳥はすっと飛び立った
その行く末を、坊は静かに見守っていた
.
海の上に浮いた石段のような駅に、大野が一人待っていると
向こうから海の上をはしるように電車が来た
波を立たせて駅に止まる
扉があくと大野はいって、切符を車掌に差し出した
大:「『沼の底』までお願いします」
大野が乗り込むと、電車は静かにはしりだした
電車の中にいる人たちは皆半透明な黒色をしていて、表情もよくわからない
奇妙な光景だが、大野はそんな奇妙な事柄に慣れてしまったのか、特に気にする風でもなく座席に座った
.
お客は次々と降りていき、日が暮れるころには大野だけが残っていた
夜に向かって走る電車の中で、大野は何かを考えているのか
真剣な顔でじっと外を見つめていた
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さとこ(プロフ) - 西園天馬さん» 覗いて下さった上コメまで、ありがとうございます！絆が伝わり嬉しいです^ ^私も天然コンビ大好きですよー！ (2017年3月27日 21時) (
レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
西園天馬(プロフ) - とても面白かったです！天然コンビの絆に涙が出そうになりました！天然コンビ大好きです！！ (2017年3月24日 16時) (レス) id: a0a85a5957 (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 智love嵐さん» 最後までお付き合い下さりありがとうございましたー！>_<はい(^_^)またお話が思いついたら是非書かせていただきますね！ (2016年10月15日 8時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
智love嵐(プロフ) - 完結おめでとうございます！出来れば、また天然の作品書いてください♪ (2016年10月13日 17時) (レス) id: 862c75d4ed (このIDを非表示/違反報告)
さとこ(プロフ) - 藤菜さん» 初めましてーっそしてコメをありがとうございます>_<そう言っていただけて嬉しいです！(T_T)頑張ります！(私も相葉さん大好きです！) (2016年10月7日 23時) (レス) id: 1170b35724 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さとこ | 作成日時：2016年9月25日 22時
