第1章13話 ページ18
優里視点
受付後、僕はビル職員と思われる人に連れられてエレベーターに乗った。どうやら最上階で面接をするらしい。かなりのスピードで上がっていくエレベーターから東京の街並みを眺めていると、すぐに着いてしまった。
「最上階です。ドアが開きます。｣
無機質なアナウンスと同時に開くエレベーター。そこから出るのとても長い廊下が広がっていた。職人に寄れば、面接会場となる部屋は、エレベーターからぐるっと回っていかないといけないらしい。ちょっと面倒臭いが、頑張って歩く。結構長そうなので、僕はイヤホンを取り出して、スマホに繋ぎ音楽を流した。この曲は僕がアイドルを目指すきっかけになったアイドル、レイシックスの5周年記念曲。もう彼らは芸能会からさったが、今でも根強い人気がある。
「ーーーーー！ーーー！｣
やはりいつ聞いてもいい曲だ。ちょうど1番が終わる頃には面接会場の部屋の扉の前にいた。どうやらまだ前の人が面接中のようだ。折角だからギリギリまで聞いていよう。そう思い、廊下に寄りかかった。
「し、失礼しました！」
その声が聞こえたのは丁度曲が終わった時だった。前の人が勢いよく扉を開け、扉も閉めず一目散に帰り用のエレベーターまでは早歩きして行った。突然過ぎてわけも分からず、さっきの人が歩いていった道先を見ていると、正面に座っている面接官から声をかけられた。
mk「ああ、すみませんね。ノックしなくていいのでそのまま入ってきてください。」
rn「あ、はい。」
僕はつけていたイヤホンを耳から外し、スマホとイヤホンを雑にポッケに突っ込んだ。
rn「失礼します。」
mk「はいどうぞ。席に座って。荷物は横のカゴによろしくね。｣
rn「分かりました。お気遣いありがとうございます。」
僕はドアをしっかり閉め、置かれている椅子に座った。
荷物は小さいショルダーバックだったからいいかとも思ったけど一応カゴに乗せといた。面接官は1人だった。どうやら一対一式の面接みたいだ。
mk「ごめんね、さっきは。びっくりしたでしょ。」
rn「いえ大丈夫です。何かあったのですか？」
mk「いや、何も無いよ。どうしたんだろうねあの子。何処か具合悪かったのかな。」
rn「そうでしたらとても心配ですね。」
本当は、ライバルが1人消えてほっとしているが。
mk「まぁいいや。面接を始めよう。」
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作者名：エクレア@nmnm | 作成日時：2021年9月26日 23時
