人間界のこと (玉藻) ページ5
「目のやりどころに困るから服を着なさい」
そう怒られたのはつい先程のことだ。以前鵺野鳴介の家に転がり込んだ時は彼のTシャツを着るだけで住んだため、人間界では上になにか羽織れば良いという概念だったのだがどうも違うらしい。「あなたに下着を買い与える財力を鵺野先生があるとお思いですか？」とご最もなことを言われたが最近人間の姿に化けれるようになったため、服などという考えは毛頭ない。せめてこれを着ろと、分厚いスウェット上下を渡された。
「裾まくって！」
裾の曲げ方をこの間教わったが難しかったため玉藻京介に頼んだら渋々ながらやってくれた。心做しか、その顔は赤いように見える。熱があるのかと聞けば「誰のせいですか」と怒られた。
「…聞き逃しましたけど、鵺野先生の前に裸で出ていったんですか？」
「え？うん、ダメなの？」
そう答えると玉藻京介は「はぁ…」と大きなため息をついた。彼が言うに、人間も妖狐も服を着ることが常らしい。えっちをする時にしか見せないんだそうだ。
「鵺野鳴介とはしてないよ。ていうか誰ともしたことない」
得意げにそう言うと、またもや彼はため息をついた。
「じゃないと困りますよ…いいですか？今後、同性の前であろうと家の中であろうと、服は着てください。Aがいくら妖怪だとしても見かけは女性、ないし少女なんですよあなたは｣
腕の裾を折り曲げながらそう言ってきた玉藻京介。人間の姿になるなら人間のことをよく知るべきだという彼なりのお説教なのかもしれない。ここは大人しくはい、と答えた。
「ごめんね」
「…謝られ足りません。鵺野先生にその身体を見せたという謝罪の意を持ってしっかりと頭を下げてください」
ソファーにどっかりと座り、立っている私に対して態度だけで着席を促してきた。
「鵺野鳴介の前で裸になってごめんね」
生きてきた中で1番解せない謝罪だ。態度の変わらない私に対して何か思いついたように起立した玉藻京介は私の唇に自身の唇を当ててきた。突然のことに驚いていると玉藻京介は少し笑う。
「人間界のことを知らないんじゃ怒っても仕方ないですね。今のはキスと言って、親しいと感じる人にする行為です。ちなみにあなたは私以外としたらいけない行為なので。あなたが知らないことは私が全て教えてあげますからね」
先程とは打って変わっての玉藻京介。少し奇妙だがまあいい。彼は頭が良いからいい勉強になるだろう。
「わかった、よろしくね」
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麻衣(プロフ) - またリクエストお願いします！ぬーべーの一目惚れ設定で最初はあしらう夢主だが最終的に恋仲になる感じを書いて欲しいです (9月17日 23時) (
レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - リクエストありがとうございます。またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で夢主が妖怪に襲われて助ける話を描いて欲しいです！ (8月29日 19時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
アース(プロフ) - 麻衣さん» リクエストありがとうございました！鵺野先生との関係性に悩みましたがか、内容に入ってしまえば楽しく執筆出来ました😆またリクエストお待ちしております！ (8月27日 4時) (レス) id: c8585e79fa (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で無理矢理は大丈夫ですか？ (8月19日 20時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - アースさん» ありがとうございます！ (2022年3月4日 2時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アース | 作成日時：2021年8月29日 0時
