雨垂れ石を穿つ (鵺野) ページ4
鵺野鳴介という男は非常に攻略し難い。女といえば胸、そして美人が必須。そんな考えを持つであろう彼は職員室で隣に座る高橋律子先生に猛アプローチをかけては玉砕している。そんな彼に何故か私は恋をしてしまった。しかし実った蕾は花を咲かせるべきとは思わないだろうか？
「鵺野先生おはようございます。朝ごはん作りすぎてしまったので食べてください」
「いやありがたいですけど、作りすぎたのレベルじゃないですよね。公園の炊き出しの量ですから」
鵺野先生が日々金欠と言うのでおなかいっぱい食べて欲しくて多く作りすぎてしまった定を装ったが不自然だったか。ああ、こうやって毎回毎回空回りしてしまう。前だって怪我の手当をしてる時に患部を動かして欲しくなくて目しか動かせなくしてしまったし、パンツ一丁になるくらい暑いと言っていたから北極から流氷を取り寄せてプレゼントしたらホッキョクグマの住処を心配された。そんな私の苦悩も露知らず、この男は今日も律子先生に取り入るのだ。
「先生どうしたのだ？」
絵に書いたように考え込む私の元へそう話しかけてきたのは鵺野先生のクラスの生徒であるまこと君だ。こう見えて意外と人のことをよく見ているちびっ子紳士である。そんな紳士を前にして悩みを吐き出さないわけがなかった。
「先生は色んなことを考えすぎなのだ！言葉で伝えたらちゃんと伝わるのだ！」
まことくんはそう言うとカクカクレンジャーのテーマソングを歌いながら5年生の教室に消えていった。彼の言いたいことは芯が通っていてグサリと胸に突き刺さる。よく考えてみれば鵺野先生だって言葉で愛を伝えているではないか。行動が報われないなら鵺野先生の表現をそっくりそのまま彼に返せば良い。
「鵺野先生、好きです」
鵺野先生のデスクを叩いて迫るようにそう告げた。目を見開き驚いた顔がとても可愛らしい。
「私の必死の求愛がいくら待てども身を結ばないので言葉で伝えます。私はあなたと手を取り合い、どんな困難だろうと2人で乗り越え、生涯添い遂げたい。今日の朝ごはんは鵺野先生のためだけに作ってきました！」
みるみる赤面してゆく鵺野先生。言葉を続けようとすると口を塞がれた。
「もう届いてますから！好きになりそうだから…それ以上はやめてください」
そこまで高橋先生を好きでいたいか、と怒りそうになった。ならばその恋心を奪ってやろう。雨垂れだって石を穿つのだ。
「鵺野先生、大好きです」
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麻衣(プロフ) - またリクエストお願いします！ぬーべーの一目惚れ設定で最初はあしらう夢主だが最終的に恋仲になる感じを書いて欲しいです (9月17日 23時) (
レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - リクエストありがとうございます。またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で夢主が妖怪に襲われて助ける話を描いて欲しいです！ (8月29日 19時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
アース(プロフ) - 麻衣さん» リクエストありがとうございました！鵺野先生との関係性に悩みましたがか、内容に入ってしまえば楽しく執筆出来ました😆またリクエストお待ちしております！ (8月27日 4時) (レス) id: c8585e79fa (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で無理矢理は大丈夫ですか？ (8月19日 20時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - アースさん» ありがとうございます！ (2022年3月4日 2時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アース | 作成日時：2021年8月29日 0時
