陽が落ちるとき (鵺野) リクエスト ページ22
童守小イチの怖がりといえば律子先生である。むしろ童守小で唯一の怖がりとさえ言ってもいいだろう。それくらい「怖がり」の代名詞とも言える律子先生がいるのだから、クラスで目立つことも引っ込むこともない私の立ち位置なんて最もモブと評していいのかもしれない。
だからそんなモブが太陽が沈みかけている帰路を怯えながら歩いていることなんて誰も知らないだろう。
普段ならここまで怖がることはない。誰かと一緒に帰ることが多いし一人で帰っても外はまだ明るいときだ。なのに今日は…。そして暗いから怖いだけじゃない。家の近くのお墓が最近墓荒らしにあったらしいという情報を耳よりにしたのだ。それってなんかちょっと怖いじゃん、ゾンビみたいなの出てきちゃってさ、故人の亡骸が徘徊なんかしちゃってさ。そんなことを考えてしまうのだ。しかも何せぬーべークラスの一人だ。ぬーべーに変な気を貰ってるなんてこともあるかもしれない。
どうせこんなに怖いこと考えたって何も無いと分かっているのに。それでもどこか視線を感じたり聞こえるはずのない音が鼓膜を揺らしている気がしてたまらないのだ。
「うぅー…家が遠いよ…」
弱音を口に出せば身体が冷える気がした。何となくその足が早くなる。こんなに家が待ち遠しいのは真夏の汗が滴る日とも冬の刺すような冷気を伴う日にも勝る程だ。大丈夫だと頭を振って目を閉じてただ直線を歩く。
やっと自身の家が目視で見えるようになった。ほぼ走るような無心の早歩きのおかげだ。最後まで後ろは見ないまま玄関の扉に手をかける。ベランダの扉からはリビングの明かりが漏れていた。スーッと息を吸って一目散に家に入り込み鍵をかける。ただいま、とリビングにいる家族に笑いかければやっと帰ってきた、と夕ごはんの準備に取り掛かった。
騒がしいテレビのバライティ番組の音がやけに心地いい。
ふと鏡に映った自分の目には涙が溜まっていた。しかしどうにも安堵した表情で身体に体温が戻っているのが分かる。しかしなんの音を勘違いしてしまったのだろうか。後ろをつけていたように聞こえる乾いた足音を。
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麻衣(プロフ) - またリクエストお願いします！ぬーべーの一目惚れ設定で最初はあしらう夢主だが最終的に恋仲になる感じを書いて欲しいです (9月17日 23時) (
レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - リクエストありがとうございます。またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で夢主が妖怪に襲われて助ける話を描いて欲しいです！ (8月29日 19時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
アース(プロフ) - 麻衣さん» リクエストありがとうございました！鵺野先生との関係性に悩みましたがか、内容に入ってしまえば楽しく執筆出来ました😆またリクエストお待ちしております！ (8月27日 4時) (レス) id: c8585e79fa (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - またまたリクエストお願いします。鵺野鳴介で無理矢理は大丈夫ですか？ (8月19日 20時) (レス) id: 95b948b8ab (このIDを非表示/違反報告)
麻衣(プロフ) - アースさん» ありがとうございます！ (2022年3月4日 2時) (レス) id: d944f1cd48 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アース | 作成日時：2021年8月29日 0時
