ドSな美女と王子達 (ページ35)

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負のスパイラルページ35

賢人｢なんかあったんでしょ？｣

賢人は部屋に入るや否やベッドに腰掛けた

私は下に座って転がっていた漫画を手に取った

｢なにが？｣

賢人｢離れるってどういうこと？全部1から説明してくれる？｣

｢え？なにが｣

賢人｢とぼけんなって｣

こいつ聞いてたのか

言わないつもりだったのに

｢勉強教えるために私はここに来たんじゃないのか｣

賢人｢……それは、その｣

｢はぁ。呆れた｣

手に取った漫画を置いて帰ろうとした

賢人｢待って｣

｢勉強なんて嘘でしょ？｣

賢人｢待てよ｣

手首を強く掴まれた

｢痛いから離して｣

賢人｢…………｣

キッと睨むように見ると賢人が黙った

賢人｢なんで？｣

子犬のような目で見てきた

これに弱いのも知っての行動なのか

でもこれで負けてられない

｢学校も一人で行くし、帰りも待たない｣

きっぱりとしなければならないと思う

賢人｢なんで急にそうなるの？｣

｢なんでって独り立ち？じゃ｣

掴まれた手を振りほどこうとした時強く賢人に引き寄せられた

賢人｢わけわかんねぇ。許さないからな｣

｢……からかうのもいい加減にしてくれる？｣

胸をぐっと押すと力がさらに強くなった

賢人｢…………幼馴染みってやだ｣

｢わけがわからない。離せ｣

賢人｢嫌だ。｣

｢…………私をどうしたいの？｣

賢人｢………………離れるなんて言うなよ。ずっとそばにいろ｣

｢…………へ？｣

きっと間抜けな声が出たに違いない

だけど賢人は真剣でその顔が今まで隣で見てきた賢人とは違ったように見えた

｢賢人なんかいつもと違う｣

意を決してバッと離れるとすぐに走って下に降りた

賢人｢っ………………はぁ｣

母さんとお父さんがいるリビングに入って挨拶した

｢お世話になりました｣

父｢A、いつでも来ていいんだからな｣

母｢可愛い娘が旅立つのは寂しいわ｣

｢また遊びに来るよ。お邪魔しました｣

山﨑家を後にして自分の部屋に篭った

賢人の行動は自分の中でありえなくて、それこそ拍子抜けしたというかびっくりした

だけどあの顔を見た時の胸がぐっとなる感じは不思議な感情が湧いた