ドSな美女と王子達 (ページ21)

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喧嘩も好きのうちページ21

どうしてこうも喧嘩ばかりするんだろう

帰っていく華奢な背中を眺めた

眺めたってAは振り返ることなんてしないのに

小さい時からいつもこうだ

喧嘩ふっかけてるのは俺の方かもしれない

頑固だし

マイペースだし

でもAのほうが喧嘩は俺より強くていつも泣かされてた

言葉足らずなAは不器用に仲直りの印としていつもチョコレートを渡してきた

今朝だってそうだ

そんなAに仕返しするように歯で指を噛んでやった

将暉｢ほんま好きやな｣

賢人｢なにが？｣

周平｢Aのことに決まってるでしょ｣

賢人｢え？ただの幼馴染みだし｣

蒼汰｢そう思ってるなら帰るのを嫌がる必要無くない？｣

賢人｢……っ｣

蒼汰くんに敵わない

この人核心を突いてくる

賢人｢さあね｣

周平｢怪しい～｣

将暉｢白々しいな｣

そうだよ

好きだよ

昔から兄貴と3人で姉弟のように育ってきたけど中学に入ってからこの気持ちは好きって事なんだってわかった

だからAを毎朝迎えに行くし

放課後だって部活が終わるまで待ってるAを連れて帰る

それが楽しみだった

高校に入っても同じ

こうやっていつもそばに居れるだけでいいと思ってた

だけど違う子と帰る？

いやいやいや

わけわかんないんだけど

行きも帰りもAとしか行かないし、帰らない

自転車だって乗らないって決めてたのに

覆されちゃ元も子もない

賢人｢はぁ……憂鬱｣

周平｢その幸せもーらい！すぅーーー｣

賢人｢なんでも持ってって……｣

俺の吐いたため息を周平くんに幸せだとか言って取られた

将暉｢まあ、落ち込みなや｣

肩を叩かれた

なんか肩の荷が重たい

蒼汰｢好きじゃないこと帰るのは苦だよね｣

将暉｢せやな。しんどいもん｣

周平｢でもさ、なんか遊んでみたいとか……｣

｢｢思わない！｣｣

周平｢はいはい。そうですね｣

この３人のやりとりに笑った

賢人｢なんとかして帰るよ。ありがとう｣

なんか笑ったら吹っ切れたから仕方なく帰りは違う子と帰ることにした