銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ9)

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『Aちゃーん！こっち！』

「あ、遥先輩」

先輩達も病院に来ていた

「今帰りですか？どうでした？こうちゃん」

遥「それがね、面会謝絶だって」

「えぇ！？どうして！？」

遥「昨日の夜、病院を抜け出そうとして暴れて大変だったらしくて…それで謝絶なんですって。どうしましょう」

「そうだったんですね」

純平「それともう一つ、吉川は昨日から家に帰ってないらしいぜ」

遥「吉川さんと冴ちゃんは行方不明、耕助くんは面会謝絶、小早川のおじ様は黙り決め込むし」

「…仕方がないですか」

遥「そうね、行きましょうか」

先輩の一声でみんな病院を出ようとした時先輩の電話が鳴った

遥「はい、もしもし。耕助くん！？ちょっと貴方どうして」

隙を狙って電話してきて連れ出して欲しいとのお願いだった

「先輩は火災報知器鳴らしてください」

太「よし、わかった」

「純平先輩と土門先輩がストレッチャーで壁を作ってもらって」

純平「わかった」

「遥先輩、車の免許ありましたっけ？」

遥「仮免許だけど運転できるわよ！」

「う、…うーん、緊急時ですし、安全運転でお願いしますね」

遥「任せて！」

「では、皆さん配置についてください」

そして、手術1時間前に私達は作戦決行した

『火事だー！！！！！』

太先輩の声でみんなが動き出した

「はい、先輩行って！」

純平「おう！」

私が上に乗ってすぐにこうちゃんを迎えに行った

「こうちゃん！行くよ！」

耕助「…うん」

こうちゃんを連れ出して2人でストレッチャーに乗った

「先輩！頼みますよ！」

純平「任せろ！」

土門「おう！」

案の定走ってくるドクターやナースをストレッチャーで振り切って駐車所までたどり着いた

『耕助くん！！！待ちなさい！！！』

おじさんの呼ぶ声も無視して無我夢中で遥先輩の車に向かった

「あの、赤い車に走って！」

こうちゃんよりも足の遅い私を気にして手を繋いで引っ張ってくれた

耕助「A、もっと早く！」

「うん！」

これでもかと言うくらい頑張ってやっとの思いで車に乗り込んだ

「先輩行って！！」

遥「はい！右良し、左良し、後ろ良し」

「どこもOKなんで行ってください！」

先輩に無礼を承知だけどここで捕まる訳には行かないので急かした