銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ8)

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〈１７〉ページ8

もしかしたら、これが貴方に送る最後のメッセージになるかもしれません。

こうちゃん、ちゃんと手術を受けて元気なってください。

そして貴方の優しさをいつまでも忘れず、Aと協力して幸せな人生を歩んでください。

遠く離れても私は貴方たちの事を見守っています

私の1番大切な弟と妹へ
不破耕助様
不破A様

翌朝

私は遥先輩を訪ねようと用意をしていた

家には私一人のはずなのに物音がして振り返るとよく知った人が居た

「…やっぱりそうか」

『もっと驚いてくれてもいいんじゃないかな？』

「君が金狼だったんだね。で、私も殺しに来たと？」

何故か私は冷静だった

『そうしたい気持ちは山々なんだけどね。うーん、どうしようか』

「貴方がどうしたいの？」

『そうだな…。やっぱり僕の良き理解者は君だと思ってね』

「……もうやめたら？こんなことするの」

『君も知ってるだろ？僕の気持ちが…僕はいつまで経ってもあいつに…』

余程の憎しみが金狼の中に留まっているらしい

私にはそう見えた

『なぜ君は銀狼に手を貸すんだ。あんな失敗作のどこがいい。完成した僕の方が優秀だ』

「金狼、申し訳ないけど、貴方は心がないのよ。確かに貴方の気持ちは痛いほど理解してあげられる。だけど、違うのよ。こういうことじゃないのよ、欲求の仕方が間違ってる」

『そうかい？僕は間違っていないと思うけどね』

「お姉ちゃんをどうするつもりなの？」

『あいつの目の前で殺してやろうかと思ってるんだけどね。どうだい？楽しいだろ？』

不敵な笑い方をしていて気分が悪くなった

「楽しくないよ。まだやり直せる人達はみんな死んじゃった。今度はお姉ちゃんまで…さすがにそれは許せない。ごめんね」

『そうか…わかったよ。もう君も要らない。消えてもらうよ』

注射器のようなものを持ちこっちに駆け寄ってきて掴まれそうになった

上手く立ち回ることができて注射器もどこかへ飛ばし運良く回避した

金狼の腕を捻って床に倒しこんだ

「よかったよ、銀狼と昔じゃれあってて。あんたに危うく殺されるとこだった」

『くっ…お前…、大事なお姉さんは預かっているからな。タイムリミットがある』

そう言うと腕を振り払ってどこかに消えた

「消えた…？」

時間も結構経ってしまったので病院に向かうことにした