銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ6)

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「大丈夫だから、落ち着いて！」

私の声が届くはずもなく、こうちゃんと入れ替わり一緒に倒れ込んだ

「お姉ちゃん！手貸して！病院！」

沈んでいるお姉ちゃんに大きな声をかけてこうちゃんを病院に連れていった

こうちゃんは治療室に入ると脳波や心電図が取り付けられおじさんがやってきた

冴子「手術するの？」

『今はかろうじて持ち堪えたが耕助くんの頭は人格交代に耐える限界に来ている。このままじゃ命も危ない。銀狼くんには気の毒だが、銀狼くんの脳の機能を止めるしか他ない』

おじさんの言葉に私は下にしゃがみ込んだ

夜遅く帰ってきた

お姉ちゃんと二人でリビングでぼーっとしていた

突然電話がけたたましく鳴って驚いた

お姉ちゃんが電話に出た

冴子「もしもし」

『ふっ、はははは。小早川さん、僕の送ったメッセージはどうだった？』

冴子「金狼…！」

「金狼？」

私はお姉ちゃんの傍で電話が聞こえないかと試みた

金狼「不破くんはまだ眠ってるんでしょ？まあ、あれだけのダメージを受けたんじゃ仕方がないか」

冴子「どうしてそんなことまで…」

金狼「さあ、何故でしょう」

冴子「ふざけないでよ！」

金狼「その秘密を知りたければ今夜10時。天神学園高校の新聞部の部室に来てください。僕を罠にはめようなんて無駄なことは考えない方がいいですよ。僕が会いたいのはあなた一人だけですから」

結局電話は聞き取りにくくて分からなかった

「お姉ちゃん、金狼なんだって？」

冴子「…ん？こうちゃんには秘密にしてくれる？」

「なに？」

冴子「金狼に呼び出された。秘密を知りたかったら今夜10時、新聞部の部室に来いって」

「ダメだよ！私も一緒に行く！」

冴子「一人で来いって言ってたの。だから決着つけに行く」

「嫌だよ！尚更私も行く！」

冴子「だめ！こうちゃんが目覚めた時2人とも居ないんじゃ寂しがるでしょ？」

お姉ちゃんに宥められて仕方がなく折れた

「お姉ちゃん絶対帰ってきて…お願い」

冴子「…もう、A泣かないでよ」

お姉ちゃんは悲しそうな顔をして抱きしめてくれた

私そんなに泣いてるの？

気づかなかったよ

「嫌だよ…誰も居なくならないでよ…怖いよ」

もう自分の周りから大切だと思う人がいなくなるのは辛い