銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ13)

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〈２２〉ページ13

耕助「姉ちゃんとA、それに新聞部の仲間。そして銀狼っていうもう1人の自分がね」

冴子「嫌だよ、こうちゃん。何考えてんのよ！私はこうちゃんに手術を受けさせるために…」

耕助「姉ちゃんの気持ちは嬉しく思ってる。ありがとう。この１１年間、姉ちゃんの弟で居られて幸せだったよ」

冴子「何よそれ！」

お姉ちゃんの言葉にハッとしてこうちゃんに近づいた

「こうちゃん、ダメだよ。お姉ちゃんの気持ちも考えてあげて」

耕助「姉ちゃんを救うにはあいつの力が必要なんだよ。」

冴子「ダメよ！今度代わったら二度と元に戻れないんだから！」

「こうちゃん…お願いだから。一緒に考えよう！金狼を私達の手で…」

耕助「A、ごめん。決めたことなんだ。銀狼と一緒に金狼を倒して姉ちゃんを救って欲しい。あと、姉ちゃんをよろしく頼むよ」

「こうちゃん…！ダメ！」

耕助「姉ちゃん、A、さようなら。銀狼、あとは頼んだぞ」

こうちゃんは私達の居る階から飛び降りた

それを最後に銀狼に入れ替わって着地したのだ

銀狼は立ち上がるとメモ書きを手にしていた

銀狼「冴子の命を救ってくれだと…ふざけるな！あいつは俺の事を憎んでんだぞ。……金狼、待ってろ。今すぐお前とケリをつけてやるぜ」

銀狼が帰ってくる間に階段で待機した

お姉ちゃんは金狼に連れていかれてしまった

スピーカーから金狼の声が響く

金狼「銀狼、俺はこっちだ。早く来いよ」

その声の後銀狼と落ち合えた

銀狼「待たせたな」

「こっち」

お姉ちゃんの連れていかれた所まで一緒に走って向かった

「その解毒剤…」

私は金狼のさっきの言葉に仕掛けがあることに気がついた

銀狼もその私の言葉を汲み取ったようだった

銀狼「ああ。その通りだ。…あと」

「なに」

銀狼「これっきりだからな」

「え？」

銀狼「どっちが死のうが後悔すんなよ。わかったか」

「え？…うん」

銀狼「それと、俺も耕助と冴子の為にこれっきりにしてやってもいい」

「なによ、それ」

私は堪らず立ち止まった

銀狼「…決めたことだ。ガタガタ言うな」

「…っわかった」

私は泣きながら銀狼と走って扉の前まで来た

銀狼「……こっち向け」

そう言われて振り向くと軽くキスされた

ほんの一瞬の出来事なのにすごく長く感じた

「ちょっと！この状況で！？」

銀狼「今しかねぇだろ」