銀狼怪奇ファイル【金と銀】３ (ページ12)

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走り出した途端レーザーがこっちに飛んできて足元で火花を散らした

金狼「気をつけてください。そのレーザーは動くものを見境なく打つようになってるんです」

辺りを見渡すとレーザーは的を探すように動いていた

金狼「そしてあと2時間で先輩に飲ませた時限性の毒が効き始めます」

冴子「時限性の毒？」

金狼「そう。そして先輩の可愛い弟と妹が今こっちに向かってるんです。先輩を救うために解毒剤を持って」

耕助 A side

「あ、あそこじゃない？」

耕助「ここか…」

「こうちゃん…答えは出たの？」

耕助「分からない…でも入ってみなきゃ分からない」

「そうだね」

耕助「A、どうなっても恨みっこなしだぞ」

「どういう意味…？」

耕助「…」

こうちゃんは聞き返しても無言で走った

私はそれを追うのに必死だった

私達は廃工場の中に入った

するとスピーカーから金狼の声が響いた

金狼「さあ、急がないとあと30分を切ってるぞ」

耕助「どうして僕達の居場所が分かるんだ」

金狼「不破くん、君は僕の手からは逃れられない」

私達は辺りを走って手当り次第見ていると上からお姉ちゃんが私達を見つけてくれた

冴子「こうちゃん！A！」

耕助「姉ちゃん！！」

「お姉ちゃん！待ってて！」

冴子「来ちゃダメ！」

お姉ちゃんの声も無視して私達は走って階段を登ると半開きになった扉を見つけた

こうちゃんが先頭で入ってすぐレーザーが飛んできた

「こうちゃん！！大丈夫！？」

耕助「…っ。大丈夫」

こうちゃんの傍で動こうとした時だった

冴子「動いちゃダメ！あのレーザーは動くものに反応するの」

耕助「…はあ」

こうちゃんはそばの柵に寄りかかった

私も反対の壁にしゃがみ込んだ

金狼「あははは。お姉さんの体に毒が回るまであと15分。お姉さんがもがき苦しむ様をそこで眺めながら自分の無力さを呪うんだね」

こうちゃんが金狼の言葉を聞いてお姉ちゃんに話しかけた

耕助「姉ちゃん大丈夫？怪我はない？」

冴子「何言ってのよ！私なんかの為にどうしてこんなことを…」

耕助「姉ちゃんが僕の立場だったら見放してた？そんなに心配すんなよ。ちょっと前の僕ならオロオロして泣いてたかもしれない。けど、逃げちゃダメだって教えてくれた人達がいた」